薄く揚げたカツの駄菓子「ビッグカツ」を誰しも一度は食べたことがあるのでは…。「ビッグカツ」は広島県呉市でつくられている。その薄さから「ハムカツ」と思っている人も多いようだが、実は違う。元広島東洋カープの安部友裕さんが工場に潜入取材した。
駄菓子をつくって半世紀
広島県呉市に本社工場がある「すぐる」は、半世紀前から全国に向けて駄菓子の製造・販売をしてきた。
この記事の画像(11枚)呉市の工場では「ビッグカツ」と、ソースのかかった「カープかつ」をつくっている。
カープで15年プレーした安部友裕さんは、「ビッグカツ」は知っていたが、「カープかつ」は食べたことがなかったという。その安部さんが「すぐる」の工場長・冨田誠さんに製造現場を案内をしてもらった。
工場に入ると長い1つの製造レーンがしきりに動いていた。このレーンで1日に13万枚の「ビッグカツ」と「カープかつ」がつくられ、全国に出荷されている。
すぐるの「ビッグカツ」は1978年に販売が始まった。元々は1本10円のスティック状で売られていて、まずは酒のつまみとして大人に人気となり、次第に家庭で子どもにも浸透していったそうだ。
材料は「ハム」ではなく「魚肉」
板状の薄いシートに衣とサクサクのパン粉をつけ、油で揚げるのだが、実はこのシートが味の決め手だ。
だが、材料はハムではないという。この揚げる前の「不思議なシート」を食べさせてもらった。
安部友裕さん:
いいです。香りが。魚の香りがしています
名付けて「魚肉シート」。魚肉のすり身を使っていて、衣にガーリックパウダーやカレー粉、ソースなどを混ぜることで独特の風味を出している。1日13万枚の大量製造でも1枚1枚、均等に手間暇がかかっている。
温めると揚げたての味に
そして、この魚肉シートが高温の油の中に入っていく。
安部友裕さん:
揚げとる!あそこ揚げとるやん!一気につくられますね!本当に
冨田誠 工場長:
1回流したら一気にいきます
特別に揚げたてを食べさせてもらった。
冨田誠 工場長:
手袋をしているから、わからないかもしれないですけど、熱いですよ
安部友裕さん:
うま!袋から開けて、出したのとはまた違ったおいしさです。「カープかつ」も、家でもう1度温めると、こういう風に食べられるかもしれないですね
冨田誠 工場長:
近い状態まではできると思います
「ビッグカツ」と「カープかつ」は、魚肉を極薄のシートにして、味つけした衣とパン粉をつけ、油で揚げるという一見簡単に思える製造方法だが、厳重な衛生管理のもと、広島・呉市から全国へ送り届けられている。
(テレビ新広島)