戦後最悪の噴火災害となった御嶽山の噴火から9月27日で10年。行方不明になった愛知県の大学生の父親と叔父が手掛かりが欲しいと9月23日、独自の捜索を行った。最愛の人はどこに。約6時間にわたり探し回ったが、新たな手掛かりは見つからなかった。家族はこの10年、変わらぬ思いで過ごしている。
一緒に登山…噴火後、離れ離れに
御嶽山頂直下の斜面を歩く2人。
愛知県刈谷市の野村敏明さん(64)と弟の正則さん(61)。 敏明さんの長男・亮太さんの手がかりを探しに、また山にやってきた。
この記事の画像(6枚)2014年9月27日、御嶽山が噴火。死者58人、行方不明者5人の戦後最悪の火山災害となった。
亮太さんは叔父の正則さんと一緒だったが、噴火直後に離れ離れになり、行方不明に。
父親と叔父が自費で捜索
遺族などでつくる「山びこの会」による捜索は2024年7月で「一区切り」となったため2人は自費での捜索を決意。
民間の会社に依頼し沢筋などを探してもらった。
2人も標高2700m付近を見て回る。
「亮太、出て来いよ」
途中、花を手向け亮太さんの写真をー。
亮太さんの叔父・正則さんは「どこにいるんだ、亮太、出て来いよ。連れて帰りたいけど、どこにいるか分からなきゃ連れて帰れない」と亮太さんに話しかけた。
約6時間ー。
新たな手掛かりは見つからなかった。
最愛の人はどこに…
亮太さんの父・敏明さんは「この広い御嶽山の斜面、探せば探すほど深みにはまっていく感じもあるので、(次の捜索は)何も考えていないというか白紙」と静かに話した。
叔父・正則さんは「私としては続けていきたい気持ちはあります」と捜索をあきらめきれない様子だ。
最愛の人はどこに―。
行方不明者の家族はこの10年、変わらぬ思いで過ごしている。
(長野放送)