鹿児島市では自動車専用の「鹿児島東西道路」のトンネル工事が進められている。そこで「シールドマシン(掘削機)」が、2024年9月9日から本格的な掘削作業を開始し、作業は倍のスピードで進むようになった。
巨大なシールドマシンで掘削始まる
鹿児島市の中洲交差点に近い、鹿児島東西道路のトンネル工事の現場。地下へ20メートルほど階段を下り、さらにそこから約180メートル進んだ先に工事に使われる「シールドマシン」がある。
この記事の画像(8枚)鹿児島東西道路は、九州自動車道の鹿児島インターチェンジからJR鹿児島本線を過ぎ、県立甲南高校付近までをつなぐ全長3.4kmの自動車専用道路。そのうち2.3kmはトンネルを掘る予定だ。
そのトンネル工事で活躍するのが「シールドマシン」と呼ばれる巨大な機械。直径約11メートル、総重量はなんと1400トンにもなる。
この巨大な円盤を回転させて地中を掘り進めながら、コンクリートの壁材をはめ込んでトンネルを造っていく。
工事ではこの壁材が1500枚以上貼り付けられ、シールドマシンで掘りだされた土は、ベルトコンベヤーで入り口近くまで運ばれる。
2024年9月9日から本格的な掘削作業が始まった。10日の取材では実際に掘っている様子を見ることはできなかったが、トンネルの壁材を運搬している様子が確認できた。
安全を最優先 予定ずれ込む見通し
現在の作業状況について、工事を担当する大成・大豊JV鹿児島東西道路シールド作業所の常田和哉現場代理人は「トンネルの大体先頭部分に来ている。トンネルの壁部材を前の方に持って行く作業をしている」と説明した。
このように運搬設備が整った今、掘削作業は1日に約10メートルずつと、これまでの倍のスピードで進められている。
作業環境は整ったが、常田現場代理人は「設備がすべて整って本格的に掘削するが、沿道の皆さまへの配慮や安全・安心に掘削工事を進めていくことを第一に考えている。慎重に工事を進めたい」と、安全最優先で工事を進めることを強調する。
一方、当初トンネルの開通は2025年5月の予定だったが、鹿児島国道事務所の龍博文副署長は、「慎重に進める必要のあるJRの(線路)下の工事についても考慮し、順調にいけば2025年の夏から秋にかけて田上地区まで貫通させたい」と、当初の予定よりずれ込む見通しを示した。
トンネル掘削に慎重な作業が要求されることなどから、現在も具体的な完成時期は示されていない鹿児島東西道路。
慢性的となっている鹿児島市街地の渋滞解消への期待が大きいだけに、一日も早い完成が待たれるところだ。
(鹿児島テレビ)