2024年1月1日に発生した能登半島地震で、石川県珠洲市若山町に現れた長さ約7キロの断層。この断層の正体は何なのか金沢大学などが調査を始めた。

能登半島地震後に突如現れた7キロの断層

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稲垣真一アナウンサー:
珠洲市若山町の畑です。実はこちらの地面も畑の続きなんですが、こうして1m近く上に上がってしまっています。この分が地表に現れた断層です。ではなぜこの断層が現れたのか、今日から調査が始まりました。

珠洲市若山町。取材班が向かうと崖のような断層が家や川を横切り、道路を分断するように現れていた。断層の長さは約7キロメートル。高さは最大で2.2メートルにもなる大規模なもの。若山町では、家が傾き道路がめくれあがるような形になるなどの被害も出た。

19日から、金沢大学と富山大学などの研究グループが始めた調査。初日は重機を使い、地表に現れた断層の下を3メートルほど掘っていった。

これまで、この断層がなぜ発生したのかは分かっていなかった。金沢大学の平松良浩教授は、「地震を起こしていないのに、なぜ最大2メートルに達するような崖が断層として現れたのかが一番不思議だ」と話す。

断層出現のメカニズムが不明

地震は一般的に、地盤に強い力がかかって断層がズレることで発生する。

断層のメカニズム
断層のメカニズム

平松教授は、1月1日の地震によって、このあたりの地表に近い部分が圧縮性の力を受けた結果、横方向から押され断層がずれるという事があり得るとは話している。そこで平松教授は地表付近の浅い部分が盛り上がったのではないかという仮説を立て、約2カ月かけて、この断層がどのように出来たのか調べることにしたのだという。

平松教授:
このような地表に現れた断層の崖というものが、過去においても起こっているのではないか。そういう場所を事前に特定することができると、あらかじめその場所を避けることによって、建物などへの(地震の)影響を減らすことができますし、地震が起こった時の被害想定という意味でも、何か知見が得られればと思います。

平松教授
平松教授

専門家も首をかしげる今回の断層。現地調査は約2カ月かけて行われ、9月15日には一般を対象にした現地説明会も予定されている。

(石川テレビ)

石川テレビ
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