強豪・カナダとの全9試合を制して、史上初の「銅メダル」を獲得したフェンシング女子フルーレ団体。
互角の戦いを続けていた日本は、菊池選手の出場で流れを変え、第5試合では5点のリード。
最終試合では、カナダ・ハービー選手からの猛攻を受け、1点差にまで迫られるも、見事守り抜いた。
銅メダル獲得の瞬間、解説席からも“安堵(あんど)”の言葉があふれ出た。
快挙達成に沸き立った解説席
史上初の銅メダル獲得という、歴史を変えた女子フルーレ日本代表の4人。
この記事の画像(12枚)銅メダル獲得が決定した瞬間、ピスト(コート)の上で何度も固く抱き合い、歓喜の涙を流した。
快挙達成の瞬間に、実況・解説席は…
実況:
よーし!よーし!銅メダル獲得フェンシング日本の女子個人・団体を通じて初めてのメダル獲得!
解説:
本当のこと言っていいっすか?めっちゃ怖かったんですよ。もう怖くて怖くて仕方なかった。今の試合…ウソだ~もう~やめてくれ~。
解説席も思わず口にした、“恐怖と重圧”をチーム力で乗り越えた4人の剣士たち。
東晟良選手:最高すぎます。
宮脇花綸選手:
本当チームのみんなを信じて、みんなでつかみ取った勝利だと思います。
勝負を分けた、そのチーム力に迫った。
流れを変えた菊池選手の出場
1900年のパリ万国博覧会に合わせて建設された「グランパレ」。
この舞台で、フェンシング女子フルーレ団体・4人の剣士が、発祥の地・フランスで新たな歴史を刻む戦いに挑んだ。
メンバーは、27歳の宮脇花綸選手、東京オリンピックにも出場した東(あずま)晟良選手、上野優佳選手、そしてリザーブ・菊池小巻選手の4人。
一方、銅メダルを争うカナダは、日本より世界ランクこそ下位だが、今大会で個人銅メダルの選手を擁する強豪。
トータル9試合に及ぶ、長い戦いの先陣を切ったのは、チーム最年少の上野選手。
しかし、その後は一進一退の攻防に…
結果、第1試合は3-3の同点だった。
続く第2試合に出場した宮脇選手も、相手と互角の戦いを演じる。
しかし、大健闘の戦いを見せるものの、やはり相手を突き放すことはできず…
東選手が出場した3試合目まで、カナダと全くの同点のまま、中盤の第4試合へと進んだ。
ここで、日本はある策を講じる。
リザーブの菊池選手が今大会、初めて試合に出場することになった。
すると、菊地選手は一気に2ポイントを獲得!
解説からも絶賛の声が上がった。
解説:
今のはいい 。グオ選手(相手)の靴が思いっきり脱げたじゃないですか~
東京オリンピックで落選し、パリの舞台では、リザーブで登録された菊池選手の奮闘ぶりが、ほかの選手にも力を与える。
第5試合が終わった段階で、5点ものリードをつける展開となった。
そして、菊池選手と交代した宮脇選手は、点が入ると誰よりも大きなガッツポーズを作り、チームメートを鼓舞していく。
1点差を守り抜いた上野選手
そして、3点のリードを保ったまま、勝負は最終第9試合へ。
しかし…個人銅メダルに輝いたカナダ・ハービー選手の猛攻で、ついに1点差。
時計の針は残り約30秒になり、1点差を守れるのか、観客席も固唾(かたず)をのんで見守る――。
そして、ついに終了のブザーが鳴った。
歓喜に沸く選手の涙に、熱戦を見守っていた解説者も思わず涙を流した。
解説:よかった~よかった~あ~
実況:
4選手すべてが力を出し切った銅メダル獲得です!
試合後、4人の剣士たちにインタビューすると…
東晟良選手:
やっぱりメダル、自分が持てる日が来ると思ってなかったので、言葉に表せないくらいうれしいです。
菊池小巻選手:
私たちが歴史を、女子フルーレの歴史を塗り替えていくんだって気持ちでやったので、本当にそれが達成することができてよかった。
宮脇花綸選手:
日本の皆さん、応援ありがとうございました。これからも頑張っていきますので、また4年後楽しみにしていて下さい、ありがとうございました!
(「イット!」8月2日放送より)