九州新幹線・長崎ルートの整備方針を議論する与党検討委員会は、議論を進めるため沿線自治体へのヒアリングを行った。佐賀市の坂井市長は、在来線の重要性や佐賀の負担について多角的な議論を求めたという。
新幹線の議論加速へ…ヒアリング
沿線自治体などへのヒアリングは、さまざまな意見が出されている九州新幹線長崎ルートの「新鳥栖-武雄温泉」間の整備方針の参考にし、膠着状態となっている議論を加速しようと、与党検討委員会が行ったものだ。

与党検討委員会によるヒアリングは2024年7月24日、東京都内で行われ、佐賀市の坂井市長のほか、長崎県大村市の園田市長らが出席した。
「特殊事情踏まえ負担への配慮を」
今回のヒアリングで佐賀市の坂井市長は、在来線の活用を前提として合意した過去の経緯をあげ、在来線の重要性や建設費など佐賀の負担について向き合うよう配慮を求めたという。

佐賀市・坂井英隆市長:
フリーゲージトレインが頓挫したとか、異例の事態が生じていると。そうした特殊な事情を踏まえて、佐賀のために何ができるかということを多角的に考えてほしいと申し上げました

また長崎県大村市の園田市長は、将来的なリニア新幹線の活用を見越したフル規格での整備が第一としたうえで、フリーゲージトレイン断念の経緯を踏まえ、佐賀県の負担を少なくするため、新たな財政手段を検討するべきと主張したという。
「財政負担は慎重な検討が必要」
このような沿線自治体の意見について、与党検討委員会の森山裕委員長は報道陣に次のように述べた。

与党検討委員会 森山裕委員長:
財政負担につきましては西九州ルート(長崎ルート)だけでという訳にいかない話だと思う。全国の新幹線の問題もあるし、今までご負担いただいてきた新幹線のルートもある。そこは慎重に検討しなければいけない
与党検討委員会のヒアリングは7月30日にも行われ、佐賀県からは南里副知事が参加を予定している。
(サガテレビ)