協議が進まない新幹線長崎ルート未整備区間をめぐり佐賀県知事は「長崎県、JR九州など地元で議論し新たな合意形成を探るのも選択肢の一つ」と述べ、“新たな枠組み”での意見交換を呼びかける考えを示した。

協議再開も続く“膠着状態”

再開した佐賀県と国交省の協議(2023年12月28日)
再開した佐賀県と国交省の協議(2023年12月28日)
この記事の画像(5枚)

2023年12月、約10か月ぶりに再開した九州新幹線長崎ルート「新鳥栖-武雄温泉」間の整備方法をめぐる国と佐賀県の協議。

佐賀県は佐賀空港と連携する「南回りルート」を議論すべきと主張。これに対し、国が主張するのは「佐賀駅を経由するルート」。

両者ともに従来の姿勢を貫き、協議が再開されたものの進展はなく、いまも膠着状態が続いている。

「協議自体難しい」国に苦言

佐賀県・山口知事(県議会一般質問 2024年3月5日)
佐賀県・山口知事(県議会一般質問 2024年3月5日)

こうした中、佐賀県の山口祥義知事は3月5日の県議会一般質問で、国との協議を次のように振り返った。

佐賀県・山口祥義知事:
全くスキームを変えるつもりはない、(佐賀)駅を通るルートでということしかないというふうにまた改めて話をされたので、そうするともう協議するということ自体が非常に難しいのではないかと

山口知事は、未整備区間の「新鳥栖-武雄温泉」間をフル規格で整備する場合、佐賀県が莫大な建設費を負担する現行の制度に改めて難色を示し、態度を譲らない国に苦言を呈した。

「地元で議論…合意形成も選択肢」

一方、山口知事は、合意形成へ向けた“新たな選択肢”についても言及している。

3月7日に開かれた県議会の一般質問で九州新幹線長崎ルートの未整備区間「新鳥栖-武雄温泉」の地元合意について質された山口知事は、「現行のスキームで合意するのは至難の業」とした上で次のように述べた。

佐賀県・山口祥義知事:
原点にもう一度立ち返って長崎県、JR九州など地元で議論して新たな合意形成を探っていくというのも選択肢の一つ。できるだけ早く意見交換をしてみたいと思う

“意見交換”佐賀県から呼びかけへ

国との膠着状態が続く中、長崎県やJR九州など地元で議論し合意形成を探るという“選択肢”に言及した山口知事。
“意見交換”については佐賀県側から呼びかけ自ら参加したいとしている。

国との協議が進まず膠着状態が続く中、新たな枠組みによる意見交換が合意形成につながるのか注目される。

(サガテレビ)

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。