西九州新幹線開業から1年。しかし、未整備区間の新鳥栖駅から武雄温泉駅はルートも決まっていない。佐賀空港“直結”の議論を求める佐賀県。佐賀駅経由に固執するJR九州。両者の主張は食い違い、先行き不透明だ。
いつまで続く?“対面乗り換え”
開業から1年を迎える西九州新幹線。
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JR武雄温泉駅に新幹線かもめが到着すると、在来線の特急列車からの“対面乗り換え”が行われていた。この移動のひと手間に、東京から来た観光客は「できたらつながってほしい」と話した。
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JR九州の古宮洋二社長は「新幹線がストレートにつながることが広域のお客様にプラスになる。地元にとっても経済効果はプラスになると思っているので、私はフル規格でつながることが一番いいと思っている」と語る。
未整備区間は“こう着状態”
九州新幹線長崎ルートの未整備区間、新鳥栖 ー 武雄温泉間では、整備方式、さらにはルートすらも決まっていない。
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西九州新幹線の開業から1年を迎えるのを前に、斉藤国土交通相は「県の指摘も踏まえながら引き続き議論を積み重ねたい」と述べたが、国交省として表立った動きはない。
県は“空港ルート”を示唆
9月20日、こうしたこう着状態のなか、一石を投じたのは佐賀県側だった。
![九州佐賀国際空港の活用なども考えている山口知事](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/6/700mw/img_d6563ae211f3659b86b10801f0b025d5234092.jpg)
山口知事:
フル規格を議論するのであれば、これまでの延長線上の議論ではなく、九州佐賀国際空港の活用や有明海沿岸道路などとの連携を含めて、佐賀県や九州全体の将来展望にどうつなげていくのか、大きな視点による全く新たな発想での議論が必要だと考えている
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知事が示唆するのは、佐賀空港周辺を通る“南回りのルート”。
空港に“直結”するルートは、国交省が「現実的な選択肢にはならない」と技術的な検証結果を示しているが、山口知事は「鉄道局は過去の延長線上の佐賀駅を通る路線に固執している」と述べ、南回りルートの議論の余地を指摘したのだ。
JR九州「佐賀駅経由しかない」
一方、運行するJR九州とは主張が食い違っている。
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JR九州・古宮洋二社長:
空港に通すことが、新幹線を1兆円を超える金額でつくって、本当に空港を通すことが一番のメリットなんですか?我々は人が一番集まる、かつお客様にとっても唐津線や長崎本線という在来線への乗り換えができる、そういう面では佐賀駅を通るのが一番ふさわしいと思っていますし、JR九州としては佐賀駅しかないと思っています
![左:JR九州・古宮社長 中央:山口知事 右:斉藤国交相](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/4/700mw/img_f43a854fc5fa013743edf997a4e67580229593.jpg)
“南回りルート”に対し国交省がどう出てくるか、果たして議論に進展はあるのか。今後の行方が注目される。
(サガテレビ)