本格的なマリンレジャーのシーズンを迎え、海へ出かける機会も増えるなかで、注意が必要なのが「離岸流」。岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする際に発生する速い流れのことで、この離岸流の危険性や対処法について学ぶ講習会が開かれた。
離岸流の対処法を知る講習会
沖縄テレビ 譜久村司 記者:
多くの人が流されるという離岸流、私が実際に入って体験してみたいと思います

2024年7月5日、糸満市の大度浜海岸で離岸流に巻き込まれた際の対処法などを知ってもらおうと海上保安庁による講習会が開かれた。

沖縄テレビ 譜久村司 記者:
何もせず浮いてるだけなんですが、どんどん流されていくことが分かります、身の危険を感じます
沖縄テレビ 譜久村司 記者:
非常に流れが速くなっています。どんどん入水した場所が離れていくのが分かります
沖へと引き寄せる波の力は想像以上、試しに岸に向かって泳いでみるが…

沖縄テレビ 譜久村司 記者:
まったく進みません。どんどん流されていくのを感じます。一見、速い流れがあるようには見えないのですが、入ってみると、何もせずにどんどん流されていくことが分かりました。とても危険です
離岸流の流れに逆らうのはオリンピック選手でも困難
では、離岸流はどれほどの速さで沖に向かっていくのか?色のついた液体を流して可視化した。※環境に配慮したものを使用

第十一管区によると、離岸流は毎秒2メートルに達することもあり、この流れに逆らって泳ぐのはオリンピック選手でも難しいとされている。
県内では去年までの5年間で61人が離岸流に巻き込まれ、このうち死亡または行方不明となった人は合わせて7人にのぼる。

講習会を開いた第11管区の小坂課長は離岸流の危険性について次のように話す。
第11管区海上保安本部交通安全対策課 小坂和彦課長:
(離岸流は)あまりにも流れが速くて、(岸に)戻れなくて、だんだん体力が削られ、そのうちに水を飲んだりしてパニックになってしまうので非常に危険です

離岸流に流された時の対処法は?
離岸流に流されても冷静に対処するには、ライフジャケットを着用するなど浮力を確保することが重要だと話す。
第11管区海上保安本部交通安全対策課 小坂和彦課長:
浮力を持っていることによって、自分が浮いているという状態で、少しでもパニックを抑えられれば、命の危険も少なくなってくる
そして、離岸流から逃れるには岸と平行に泳ぐのがポイント。

第11管区海上保安本部交通安全対策課 小坂和彦課長:
横に、陸に向かって横に平行に泳いでいただく。沖には流されるんですけれど、離岸流はだんだんと沖に向かうと弱くなってきますので、横に泳いでいるうちに沖に流されなくなったら、陸のほうに向かっていただければ
第11管区海上保安本部は、ライフジャケットの着用に加えスマートフォンを防水パックに入れて携帯するなどして、万が一の連絡手段の確保を呼びかけている。海の危険性を理解し、きちんと対策を講じてマリンレジャーを楽しみたい。
(沖縄テレビ)