宮城県の小さな町に持ち上がった「スポーツ大規模施設」構想。
これに対し賛否の意見が飛び交い、“町が揺れる”事態となっています。

宮城・大郷町 田中學町長:
何かそこにアクションを起こさなければければダメだと何もしないで困った困ったってみんなで悩んでいても誰も解決してくれませんよ!

宮城・大郷町 田中學町長
宮城・大郷町 田中學町長
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「めざまし8」の取材に対し、力説するのは、宮城県大郷町の田中學町長です。 

宮城・大郷町 田中學町長:
サッカーの練習場、全国規模で人の集まってくるようなそういう練習場を造ろうと。

大郷町は、宮城県の中央にある人口およそ7500人の町です。

田中町長が推し進めるのは、この町に、国内最大級のスポーツ施設を造る「スポーツパーク構想」。

その規模は、サッカーグラウンド12面と1200人以上が泊まれる施設。
さらに農地を整備して「アスリート兼農家」も育てるという計画です。

この計画で町が手を組んだのが、京都市の民間企業。すでに広島県内で、サッカーコート3面と600人収容できる宿泊施設の運営を成功させた実績のある企業です。

今回、大郷町が負担するのは、土地の購入と整備にかかる費用などおよそ2億8000万円。

しかしこれに待ったをかけたのが大郷町議会です。住民への説明不足や提携する企業の財務状況が分からないなどとして予算を認めませんでした。

そうした中、7月8日に開かれた住民説明会では、賛否の声が飛び交っていました。

賛否飛び交う…住民説明会にてそれぞれの意見は?

大郷町 田中學町長:
農業だけでは飯食えないからなんとかしなくちゃいけない。農業だけでは飯食えないけど、農地は大郷町を救うことができる。それが今計画しているこの事業なんですよ。

宮城・大郷町 田中學町長
宮城・大郷町 田中學町長

施設の重要性を説く町長。これに対し町民は…

構想に賛成する町民:
この町に足りないもの、それを補うものの事業として必要な大切な事業だと思っています。

構想に賛成する町民:
このままでは死を待つのみです。大げさなことを言えばそれじゃだめだ。変わっていきましょうよ!

大郷町の未来のため、必要だという賛成派。それに対して、こんな意見も…。

構想に反対する町民:
大谷選手に憧れ、今は野球です。町長、だから今サッカーに町の命運をかけるのはギャンブルです。

大郷町 田中學町長:
批判ばかりしていたって何もできませんよ!できる人がいるんだったら、やってほしいよ!

改めて「めざまし8」は町民の声を取材しました。

構想に賛成する町民:
私も含めて高齢化してるわけなんですけれど、田んぼをずっと継続していっても将来見えないですよね。ここに足を運んでくれる、まあ、交流人口っていうんですか、そういった方が増えるような施策であれば夢がある事業じゃないかなっていう思いもしてます。

このままでは農地も無駄になってしまうと、計画に期待を寄せる住民がいる一方で…

構想を不安視する町民:
(サッカーだけに)12面もいるのかな?違うスポーツ、もしくは、子育てにいいような例えば、体育館ができるとか、おじいちゃん、おばあちゃんまで小さい子供さんも、含めて試合を観戦するとか、そういう場になってくれたらいいなって。

構想に反対ではないものの、せっかく建設しても、利用者が限られてしまうのではないかと不安視する声が。

これに対して町長は…

大郷町 田中學町長:
12面のサッカー場ができあがれば、いろんなスポーツにも使えるんじゃないですか?それだけの面積を準備できるこの町に環境が整ったということで。

大郷町の臨時議会は7月に開催予定。町は大きな決断を迫られています。

大郷町 田中學町長:
一番の願いは、議会でこの事業を認めてもらうということが、この町を救うことになると、そういうことです。
(めざまし8 7月11日放送)