全校児童10人前後の鹿児島・伊佐市の南永小と出水市の上場小。ヤギを飼っているという共通点から「ヤギ語」による交流が生まれた。両校は「メ~メ~盟約」を締結し、生まれた赤ちゃんヤギのメ~メ~(命名)も仲良く分担することに。
黒ヤギたちがみなみちゃんに会いに
全校児童9人の伊佐市・南永小学校で飼われている白ヤギの「みなみちゃん」。2024年4月、新入生が1人もいなかった南永小学校に“入学”して話題となった。「みなみちゃん」のための入学式も行われ、全校児童で歓迎した。

その「みなみちゃん」は6月末に2匹の子ヤギを出産し、お母さんになっていた。

そんな南永小学校の校庭に、1台の軽トラックが入ってきた。乗っていたのは2匹の黒ヤギで、出水市の上場小学校の「ヤッギー」と「すず」。「みなみちゃん」のことを知って、全校児童11人とともにはるばる南永小学校までやってきたのだ。
ヤギ語で交流 メ~メ~盟約結ぶ
みんなで体育館に集合し、児童たちはヤギのイラストのかぶり物を頭につけた。

すると、「ヤギ語」が話せるようになったようで、体育館は「メー」「メー」とヤギ語が飛び交い始めた。
この日、行われたのはその名も「メ~メ~盟約式」。ヤギを飼っている小学校同士、交流を深めていくのが目的だ。

上場小の山本裕三校長が南永小のヤギの入学式を見て、つながりたいと思い、盟約式をお願いしたという。黒ヤギさんからの“お手紙”ならぬ“熱烈なオファー”を受け取った白ヤギさんの「みなみちゃん」たち。

みんなでハラハラと見守る中、盟約書は食べられることなく、式は無事に終了した。
南永小学校の新地哲郎校長は4月の入学式で、ヤギ語の式辞で話題となったが、この日も「ヤギ語」で「メー、メー、メー、メー(これからも交流をしていきましょう)」とあいさつをした。
両校で赤ちゃんヤギの命名を
ヤギがつないだ両校の交流。

一緒にふれあった児童たちは口々に「上場小のヤギも見られてすごくうれしかった」「南永小のみんなとヤギと交流ができてとっても楽しかった」と興奮気味に語ってくれた。

気になるのは、生まれたばかりの赤ちゃんヤギたちの名前だ。メ~メ~(命名)について南永小・新地校長に聞いてみると、「1匹は南永小で、もう1匹は上場小で名前をつけるようにしましょう」と思わぬ提案があった。「本当にいいんですか?」と聞き返しながら、上場小・山本校長はうれしそうな表情だった。

ヤギを通じて生まれた新たな絆(きずな)。5匹のヤギと児童たちの交流は、これからも続いていく。
(鹿児島テレビ)