毎年、夏が近づくにつれて目にする猛暑のニュース。強い日差しの中でも、記者たちは現場をかけまわる。森の中で食べる冷たくておいしいそうめんから、水不足だったとは思えないほど透き通る水が流れる公園まで、記者が惹きつけられるのはストーリー豊かなひんやりスポット。町の隅々まで駆け回った地元記者だからこそ知る夏休みにもぴったりな「涼し~い」空間を紹介したい。 

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こだまするホトトギスの鳴き声聞きながら冷たいそうめんを食す!/愛媛

愛媛で地元記者がおすすめするのは、涼を感じる夏の味覚、平家谷自然公園の「そうめん流し」。県南部にある八幡浜市中心部から車で走ること約30分。標高250メートルの山あいにある八幡浜市保内町の緑に覆われた平家谷自然公園。その名の通り、「平家谷」は壇ノ浦の戦いに破れた平家落人の哀れな伝説を秘めた由縁ある地でもある。

愛媛・平家谷自然公園
愛媛・平家谷自然公園
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谷にこだまするホトトギス、杉の木立を移動するヒグラシに渓谷のせせらぎ。この冷たい水の流れに清められた名物の「そうめん流し」は、地元の老人クラブが運営していて、毎年夏の時期は連日大勢の家族連れなどでにぎわう。

愛媛・平家谷自然公園のそうめん流し
愛媛・平家谷自然公園のそうめん流し

特製のつゆにタマネギや青ネギ、青ジソなどの薬味を入れ、冷たい水を流れてくるそうめんを待つ。少しの緊張感と高揚感を感じながら、いざ箸をくぐらせ、流れるそうめんをすくいあげる。

だしにつけてそうめんを口に運ぶ!
だしにつけてそうめんを口に運ぶ!

だしにつけて勢いよく口に運ぶと、そのつるっとしたのどごしと薬味の清涼感に、うだる様な暑さも都会の喧噪も消えていく。

さらに平家谷の魅力は「そうめん流し」だけではない。すぐそばでは気軽にニジマス釣りも楽しめる。

愛媛・平家谷自然公園のニジマス釣り
愛媛・平家谷自然公園のニジマス釣り

釣った魚は1匹500円でその場で塩焼きにして食べることもできる。八幡浜・平家谷は、緑豊かな森林の中で、家族そろって夏の暑さを忘れさせてくれるエンタメスポットだ。

〈平家谷自然公園〉
住所:愛媛県八幡浜市宮内両家
料金:そうめん流し料金:大人(中学生以上)600円 、小学生300円 、幼児100円
ニジマス釣り料金:1匹500円でその場で塩焼き(無料)

(テレビ愛媛)

日本三大鍾乳洞の「龍河洞」で暗闇と静寂に包まれた非日常の感覚を/高知

高知で地元記者がおすすめるのは、国の天然記念物で日本三大鍾乳洞のひとつ、香美市土佐山田町の「龍河洞」。1億7500万年という、気が遠くなるような時の流れが作りだした神秘の洞窟で地球の歴史を感じることができる。

日本三大鍾乳洞のひとつ高知・龍河洞
日本三大鍾乳洞のひとつ高知・龍河洞

一年を通して気温が15度程度に保たれている洞内はひんやり。足を踏み入れると、様々な形の鍾乳石が出迎えてくれる。約2000年前の弥生時代の生活跡が実際に残っているエリアもあり、我々の祖先の息づかいが聞こえるようで、実に興味深い。

本物の土器が鍾乳洞と一体化した「神の壺」
本物の土器が鍾乳洞と一体化した「神の壺」

また、本物の土器が長い年月をかけて鍾乳洞と一体化した実物、「神の壺」も見ることができる。

おすすめは「冒険コース」。自然のままの洞窟をガイドの案内にしたがって進む約200mの洞内は、暗闇と静寂に包まれた非日常の感覚が体験できる。途中には、狭い岩の間をはってくぐり抜ける場所などがあり、スリリングな冒険が楽しめる。

暗闇と静寂に包まれる洞窟内
暗闇と静寂に包まれる洞窟内

また、「西本洞冒険コース」は、水の中を進んでいくルート。暗闇の中をヘッドライトの光を頼りに進む、ケイビングが楽しめる本格コースだ。

〈龍河洞〉
住所: 高知県香美市土佐山田町逆川1424
料金:通常コース:高校生以上1200円、中学生700円、小学生500円※幼児無料
冒険コース:2900円(つなぎレンタル料1000円)
西本洞冒険コース(4月29日~9月30日):小学5年生以上2400円(つなぎレンタル料800円)
※冒険コース・西本洞冒険コースは事前予約が必要

(高知さんさんテレビ)

水不足だったとは思えない!透き通る水に咲き乱れる花々が見られる公園/香川

香川で地元記者がおすすめするのは、三豊市財田町にある香川用水記念公園。日照時間が長く、大きな河川も少ないことから、香川県は昔から水不足に悩まされてきた。香川・徳島にまたがる阿讃山脈にトンネルを掘り、徳島・高知の吉野川の水を引き、1974年5月に完成したのが香川用水だ。

香川用水記念公園
香川用水記念公園

この公園は、県民に命の水をもたらす「香川用水の歴史と恩恵を長く後世に伝えよう」と1997年に香川県側のトンネルの出口周辺に整備された。

香川用水記念公園のアジサイ
香川用水記念公園のアジサイ

6ヘクタールの公園にはショウブやフジ、アジサイのほか春はサクラ、秋は紅葉、冬はロウバイやサザンカなど季節の花々が楽しめる。

香川用水記念公園のじゃぶじゃぶ池
香川用水記念公園のじゃぶじゃぶ池

夏には公園の東側に南北に沿って流水と池があり、「せせらぎの川」で滝を見て楽しんだり、「じゃぶじゃぶ池」と呼ばれる水辺で遊ぶことができる。

また、入館無料の「水の資料館」では、県内に1万4000カ所以上のため池が作られたことなど、水不足とたたかってきた歴史や香川用水の仕組みを紹介した展示があるほか、遊びながら水の学習ができる体験装置もあり、夏休みの宿題の自由研究などでもおすすめだ。

生活用水として県内8市6町に供給され、農業用水や工業用水でも県内各地に「命の水」をもたらした香川用水の開通から2024年でちょうど50年。公園で楽しみながら改めて水の大切さを感じてみてはいかがだろうか。

〈香川用水記念公園〉
住所:香川県三豊市財田町財田中2355

(岡山放送)

※2024年6月時点の情報です。

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