バスケットボール男子・Bリーグのシーズンチャピオンを決めるプレーオフの決勝(2戦先勝方式)第3戦が28日、横浜アリーナで行われ、広島ドラゴンフライズが昨年の王者・琉球ゴールデンキングスを65-50で撃破し、初優勝を果たした。
この記事の画像(11枚)広島(西地区3位)はワイルドカード(各地区3位以下から上位2チームが出場)としてプレーオフに滑り込み、中地区1位の三遠、西地区1位の名古屋Dを次々と撃破し、最後に昨年の覇者・琉球を倒すことで、チームやファンの合言葉「下剋上じゃけぇ」を見事完遂。チーム後援会の名誉会長である岸田文雄首相はX(旧ツイッター)で「すごい、やりました!」と快挙をたたえた。
覇者・琉球 史上2チーム目の2連覇逃し惜敗
1勝1敗で迎えた第3戦で広島は第1クオーターから主導権を握り、司令塔の中村拓人(23)や山崎稜(31)の3ポイントシュートなどで17-12でリード。
第2クオーターは琉球もキャプテン岸本隆一のディープスリーなどで反撃するも、広島が優位に試合を進め前半を35-29で終了。後半も広島は手堅いインサイドディフェンスと多彩な攻撃で琉球を押さえ続け、最後まで押し切った。
苦難乗り越え初優勝の広島 引退の主将“歓喜”に快進撃の牽引選手“感涙”
優勝インタビューで広島のカイル・ミリング監督は会場のファンとともに「勝ちじゃけー」の雄叫び三唱で喜びを爆発。
会見では2021年の監督就任以来“下剋上V”に至るまでのチームの苦労について「観客席が半分空いているような会場でもプレーしたが、そんな中でもスタッフも選手たちも信じ続けてこの3年間やってきた。ファンも私たちを信じてサポートし続けてくれた」と振り返った。
また、この日は出番はなかったが、今季限りで引退するキャプテン・朝山正悟(42)はインタビューで、「何もいうことがない。夢のようだ」と率直な喜びを語った。
チャンピオンシップMVPを受賞した山崎稜は会見で、「(広島)カープとサンフレッチェ(広島)が知名度が高くて、それに負けたくないという思いがあり、広島ドラゴンフライズを広めていきたいと思っていた」と、優勝への喜びを、感極まり声を詰まらせながら語った。
一方、けがで長期離脱を余儀なくされた寺嶋良(26)に代わり、3月から司令塔を託されてきた中村拓人は、「僕たちの強みはディフェンス。40分間常にディフェンスをし続けることを意識してきた。それが最高の形でできて、得点につなげられた」と、昨年の覇者を制した試合を振り返った。