フランスと大接戦での“疑惑”のファウル判定、八村塁の負傷戦線離脱。波乱のバスケットボール男子日本のパリ五輪は終わった。予選グループBで2連敗後のブラジル(世界ランキング12位)との戦い(2日)で、背水の陣の日本(同26位)は84-102で敗れた。目標のベスト8入りは果たせなかったが、着実に「日本のバスケットボール」を世界に知らしめた。4人のキーマンが思いを語った。
究極の“背水の陣”…河村・ホーキンソンら猛攻も驚異のブラジル3点砲連発に敵わず
7月30日のフランス戦での“惜敗”で一敗もできない厳しい状況に置かれたものの勢いづいた男子日本だったが、八村の左ふくらはぎ負傷による戦線離脱で、エース不在というさらに追い込まれた状況でのブラジル戦となった。
この記事の画像(13枚)試合は序盤から司令塔・河村勇輝とセンター・ジョシュ・ホーキンソンを軸に3ポイントシュートとインサイドでのリバウンド獲得など猛攻したが、格上ブラジルは成功率60.7%となる驚異的な3点シュートと日本を上回るリバウンド力を見せつけ、終始「打ち合い」に。
八村不在の中、日本はホーキンソン・渡邊雄太・吉井裕鷹・河村が30分以上出場したほか、残り全選手が出場する「総力戦」となったが、序盤から終始ブラジルのリードを許し、第4クオーターは1点差まで詰め寄る場面もあったが、最後は力尽きブラジル100点超の18点差で試合を終えた。
バスケ男子“新時代”開幕 「戦える日本」28年ロサンゼルス五輪へ
予選3連敗で、五輪で52年ぶりとなる自力での勝利は実現できなかったが、強豪フランスとの大接戦や八村不在で終盤1点差まで詰め寄ったブラジル戦は、戦える日本の姿を世界へ着実に知らしめた。試合終了後、4人のキーマンが思いを語った。
河村勇輝:
日本のバスケットボールが素晴らしいものだとお伝えできればいいなと思っていた。結果としてすごく悔しい結果になってしまったが、この3試合で世界との差は必ず埋まって来ていると思っている。まだまだ足りない部分ばかりだが必ず次の五輪に向けて頑張っていきたい。
渡邊雄太:
素晴らしいプレーをしたブラジルを讃えたい。間違いなく日本の成長した姿を見せることができたと思うので、次の大会に向けやれることをやって、まだまだ成長しないといけないところも多いので、次は絶対に勝てるように頑張る。
富樫勇樹:
前回の五輪より日本のバスケをしっかり見せることができたと思うし、1勝というところに届かなかったというのはあるが、前を向いて、これからも日本男子バスケは走っていけるのではないかと思う。
トム・ホーバス監督:
目標(ベスト8進出)を達成できなくて悔しい。(しかし)この道は悪くない。足りない部分はもう少し強くなって。でもステップアップした。頑張ります。
「戦える日本」が、28年ロサンゼルス五輪に向け再スタートを切る。