長崎県内の中学校で行われていた体育大会の最中に「つむじ風」が発生した。テントが飛ばされ、2人がけがをした。この時期の体育大会は「つむじ風」が発生しやすいという。大事なことは「その場から離れること」だ。

強風が渦を巻いてやってきた

19日、大村市立大村中学校では朝から体育大会が開催されていた。昼前、「つむじ風」は突然やってきた。生徒たちの競技中にグラウンドには突然強い風が吹き始めた。視界が真っ白になるほどの砂ぼこりが舞う。

視界が真っ白になるほどの砂ぼこりが舞う
視界が真っ白になるほどの砂ぼこりが舞う
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離れたところからたまたま競技を撮影していた人のカメラには、30秒ほど渦を巻いたように風が吹き荒れる「つむじ風」がはっきり映っていた。

つむじ風が発生
つむじ風が発生

風が通り過ぎると、テントが飛ばされていた。

気づいたらテントが上に倒れ、恐怖を覚えた

テントの中で撮影していた動画からもつむじ風でパニックになった様子がうかがえた。撮影した女性は激しい風とごう音に恐怖を覚え「ありえないくらいの強風に変わっていて、気づいたらテントが自分たちの上に倒れてきた」という。

撮影した女性:
砂ぼこりとテントの白い色で、あ、やばいなと思った。恐怖しかなかった。2歳と5歳の姪と甥が一緒に見に来ていたので、その子たちだけはかばわなければと思った。

つむじ風でテントが吹き飛ばされた
つむじ風でテントが吹き飛ばされた

数人でテントをおさえたものの、保護者の女性2人の体に柱があたり、1人は左手にすり傷を、もう1人は左腕と腰を打つけがをした。

テント周辺のイスやテーブルは散乱
テント周辺のイスやテーブルは散乱

学校によると、テントは杭を打つなどして固定していたという。

春の運動会と「つむじ風」

つむじ風は塵旋風(じんせんぷう)と呼ばれ、地表付近の大気が渦巻状に立ち上る突風の一種だ。長崎地方気象台などによると、つむじ風は強い日差しで地面が温められ上昇気流が発生したときに起こる。雲を伴わずに突然発生するため、予兆がない。短時間で通り過ぎるのが特徴だ。

発生しやすい条件は
・よく晴れて風が強い
・空気が乾燥している
・運動場や公園など広い場所 

などいくつか挙げられる。春の運動会シーズンはこれらの条件に当てはまりやすい。

鉄則は「その場から離れる」

つむじ風が起きたらとにかくその場から離れることが鉄則だ。建物があれば中に避難する。吹き飛ばされた物でけがをしないように周りを見ながらその場から逃げることが大事だ。

熱中症対策とあわせて打ち水をしてできるだけ地面を湿らせておくことや、テントなどを前もって固定しておくことなども必要となる。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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