山形の初夏の味覚サクランボは、まもなく露地ものの収穫が始まり本格的なシーズンを迎える。5月21日、県の作柄調査の結果が公表され、2024年は「やや少ない」となった。また佐藤錦発祥の地である東根市ではサクランボの出荷シーズンを前に「祈願祭」が行われた。
2024年は大玉サクランボに期待
サクランボの作柄調査は、5月17日に村山・置賜地域の48の園地で行われた。
21日に公表された結果によると、実の付き具合を示す「着果数」は1.6個で、2023年、そして平年の1.8個をやや下回った。
2023年の猛暑の影響で、実が2つに分かれた「双子果」の数が多くなったほか、開花の時期に気温が高く乾燥していたため、受粉がうまく進まなかったことが要因。
山形県 農林水産部・高橋和博次長は「双子果については摘果作業で取り除く、いわゆる規格外。取り除かれることを想定している。県としては摘果を進めながら、残った果実をおいしく仕上げてほしい」と話した。(※高橋和博次長「高」は「はしご高」)
予想される収穫量は1万2100トン、2023年と比べると93%、平年と比べると91%で、作柄は「やや少ない」となった。現在は気温や日照時間に恵まれていて、順調に生育しているという。
山形県 農林水産部・高橋和博次長:
今のまま生育が進めば、非常に大玉の果実の生産ができるのではないかと期待している
収穫の最盛期は平年より5日から1週間ほど早く、「佐藤錦」が6月13日から、「紅秀峰」は6月20日からと見込まれている。また、2023年本格デビューした「やまがた紅王」の収穫量は、2023年の倍の40トンが見込まれている。
「佐藤錦」発祥の地では祈願祭
一方、露地もののサクランボの出荷シーズンを前に、21日、佐藤錦発祥の地・東根市で生産者や市場関係者が参加して、JAさくらんぼひがしねの祈願祭が行われた。
シーズン中の作業の安全、そして安定して高値で取引されるよう祈願した。
JAさくらんぼひがしねの管内は、21日に公表された県の作柄調査の結果同様、着果数がやや少なく、園地によってばらつきがあるという。収穫まで約3週間、水やりや摘果など栽培管理を徹底し、高品質なサクランボに仕上げていく。
JAさくらんぼひがしね・松浦洋二代表理事組合長:
一粒一粒に、十二分に栄養が行き渡るように管理して、消費者に喜んでもらえるおいしいサクランボを作るので待っててほしい
東根市の露地ものの佐藤錦は、早いところで5月末から収穫が始まり、6月15日ごろに最盛期を迎える見込み。
(さくらんぼテレビ)