“星の誕生”に関して、新潟大学の研究グループが新たな発見をした。研究が難しく、謎に包まれているという銀河の辺境の未来を明るく照らす発見とは…
世界初!天の川銀河の外縁部で“星誕生の兆候”を撮影
会見に出席したのは、新潟大学大学院の池田達紀さんを中心とした研究グループのメンバー3人だ。

3人が発表したのは、地球から約2万6千光年離れた天の川銀河の端で撮影した“星が誕生するサイン”について。
池田さんは「分子ガスの流れであるアウトフロー・ジェットを天の川銀河の外縁部において、世界で初めて撮影することに成功した」という。
謎めいた天の川銀河 星誕生の兆候は太陽系と同じであることが判明
一体どういうことなのか…
太陽系で星が生まれると、通常、両方向に勢いよくガスが噴き出す“アウトフロー・ジェット”という現象が見られる。

しかし、太陽系からも大きく離れた天の川銀河の外縁部は周辺環境なども異なり、謎に包まれてきた。
今回判明したのは、その天の川銀河の外縁部でも星が生まれる際の兆候が太陽系と同じであるということ。
新潟大学の下西隆准教授は「物質進化の過程は天の川の辺境はほとんどまだ調べられていない。私たち生命の材料となる物質がどのようにつくられて、同じように同じような分子が、それとも違うものが存在するのか、そういったものを調べるうえで今回の発見は非常に大きい」と説明する。
世界一の性能誇る望遠鏡で観測「なんだこれはと…非常に驚き」
観測したのは、3年前の10月と12月。世界一の性能を誇る望遠鏡“アルマ望遠鏡”で行われた。

研究者からの人気が高く、審査を通った者しか使用できないため、あわせて10数時間という限られた時間の映像を3日間かけて観測したという。
池田さんは「最初見つけたときは単純に『なんだこれは』という感想を持った。全く予期していなかったので、非常に驚いたというのが率直な感想」と話す。
子どもたちへ「分からないことに興味を持ってどんどん追究して」
小さい頃から宇宙が好きで図鑑を読んでいたという池田さん。

「宇宙についてまだ知らないことがたくさんある。ぜひ、子どもたちには分からないことに興味を持ってどんどん追究していってほしい」と夏休み中の子どもたちにもメッセージを届けていた。
(NST新潟総合テレビ)