8日から続いている太陽フレアの影響で、16日頃まで通信障害が発生する恐れがあり注意が必要だ。日本や世界各地では低緯度でのオーロラ観測が報告され、太陽フレアが引き起こした現象として注目されている。

16日頃まで障害が発生する恐れ

情報通信研究機構によると、太陽の表面で起きる爆発、太陽フレアの最大級規模が、8日から12日までに合計9回発生した。

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この影響で地球上で大きく磁場が乱れる「磁気嵐」が起きているとしている。この磁気嵐はこの後、数日間続くと見られ、これまでのところ大規模な通信障害などは確認されていないが、16日頃までは、GPSの位置情報や無線通信などに障害が発生する恐れがあるという。

磁気嵐によって、日本でも北海道などでオーロラとみられる現象が確認されている。

国内でもオーロラ観測

太陽の爆発現象は現在も継続中とのことだが、日本各地でオーロラが観測された。本来、オーロラは緯度の高い場所で見られるが、日本では「低緯度オーロラ」と呼ばれるものが観測された。

北海道の陸別町では11日午後8時頃、オーロラを撮影しようと多くの市民が集まっていた。11日に同じ陸別町の銀河の森天文台で撮影された映像を見てみると、オーロラがピンクがかった雲のようにも見える。

北海道だけでなくFNNで確認しているだけでも、青森・平内町、石川・珠洲市、愛知・東栄町、兵庫・香美町でも確認された。

ドイツで観測されたオーロラ
ドイツで観測されたオーロラ

オーロラは世界各地でも目撃された。

オレンジの産地でオーロラのイメージからほど遠いスペイン・バレンシアでも10日にオーロラが目撃された。ドイツでは街の上空に広範囲でピンクのオーロラが出現。さらに、ピンクと緑の、まるで空のカーテンのようなオーロラも観測された。

オーロラをみようと、ハムステッドヒースに集まった人々
オーロラをみようと、ハムステッドヒースに集まった人々

一方、ロンドン北部のハムステッドヒースには11日深夜、前日の夜にオーロラが見えたということで大勢の人が集まり、お祭りのような状態になっていた。

10日にオーロラをみたという女性は、「今日は昨日より10倍人がいる」と話していた。

現場では、11日午前0時半を回ってもオーロラが見える気配はなかったが、ダンスパーティーが始まり、週末ということもあって多くの人が集まっていた公園は、オーロラは見えないがもはや宴会のような雰囲気だった。結局、11日午前2時半になってもオーロラを見ることはできなかった。

航空無線に影響が出る可能性も

このオーロラを引き起こした要因は、太陽フレアとよばれる太陽の表面で起こる爆発現象で、通信機器などへの影響も懸念されている。

アメリカの海洋大気庁は11日、電力系統やGPSなどで異常が報告されたと発表したが、具体的な状況は明らかにされていない。

名古屋大学宇宙地球環境研究所の西谷望准教授によると、さらに大規模な太陽フレアが発生すると、航空無線に大きな影響が出る可能性もある。太陽活動は11年周期で活発化しており、2025年がピークと見られ、注意が必要だという。
(「イット!」 5月13日放送より)

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