鳥取県と関西を結ぶ特急列車・スーパーはくとで迷惑な事態が発覚した。人気漫画『名探偵コナン』のキャラクターたちがデザインされた「名探偵コナン号」の車内から、主人公の江戸川コナンがプリントされた座席の枕カバーがなくなっていることがわかったのだ。
コナン効果?観光客誘致は好調
鳥取県出身の漫画家・青山剛昌さんの代表作『名探偵コナン』のキャラクターたちがデザインされた特急スーパーはくとのラッピング列車「名探偵コナン号」。
この記事の画像(9枚)2023年12月に運行を始め、出発式では、鳥取県の平井知事などがテープカットをしてデビューを祝った。
2025年の「大阪・関西万博」に照準を合わせ、国内外からの観光客を関西経由で鳥取県に呼び込もうと、県の肝いりで登場した「名探偵コナン号」は平均乗車率約40%と利用は好調だ。
人気の秘密は、列車のいたるところにあしらわれた名探偵コナンのおなじみのキャラクターたち。車体のラッピングをはじめ、車内にも「コナンワールド」が広がる。
だが、この特別な列車では、平井知事が4月11日の定例記者会見で「非常に困っている。残念なマナーの問題」と嘆いた“ある事件”が起きていた。
鳥取県・平井伸治知事:
座席の枕のところのシートカバーを持って帰る人がいる
カバーを持ち帰ったのは乗客か?
「名探偵コナン号」の座席のヘッドレスト(枕)の部分には、コナン君をデザインした特別仕様のカバーがかけられ、そのうち約30枚(4月11日時点で県が公表)なくなり、乗客が持ち帰った可能性があるというのだ。
平井知事は「持ち帰らないように、多くの人が使えるように大事に置いておいてほしい」と呼びかけたが、鳥取県警によると、列車の備品を持ち帰る行為は「窃盗」に当たり、懲役10年以下または50万円以下の罰金が科せられる可能性があるという。
「返却されれば被害届は出さない」
この困った“事件”を受けて、4月23日、智頭急行の西尾浩一社長が取材に応じ、「たぶん盗難だろうと思っている。警察に相談していて、被害届を正式に受理してもらっていないが、提出する方向で相談している」と明かした。
紛失が確認されたのはカバー8枚で、すべて盗まれた可能性が高いということだ。
一方で、西尾社長は、返却されれば被害届を出さない考えを示し「一時の気の迷いで持ち帰ったものなら返してほしい」と返却を促した。
鉄道ファンだけでなく、「名探偵コナン」ファンも注目する特別列車で起きた思いがけない事件。作品のように見事“解決”となるのだろうか。
(TSKさんいん中央テレビ)