「絶対手を抜かない」。17歳でホッケー歴12年、愛媛の「ホッケーの街」で育った女子高校生が、世代別の日本代表としての経験を糧に、高校最後のインターハイで全国ベスト4入りを目指している。その目はさらにその先のオリンピック出場を見据えている。
日本代表経験もある“ホッケー女子”
伊予高校女子ホッケー部3年の平井愛乃選手。打ち込む競技の魅力を次のように語る。

伊予高校 女子ホッケー部・平井愛乃選手:
シュートを決めた瞬間が一番達成感すごくて、どんどん試合を展開できるのが魅力だと思っています
17歳にしてホッケーの競技歴は12年。抜群の体力と基礎に支えられた安定したプレーが高く評価され、2023年は18歳以下の日本代表に選ばれた。初めて経験する国際試合は、大きな刺激になったという。

伊予高校 女子ホッケー部・平井愛乃選手:
技術の面ではまだ日本の選手とさえ差があるので、外国の選手とはもっと差を感じたんですけど、フィジカルは負けなかったと思います

平井選手が育ったのは「ホッケーの街」愛媛・松前町。父親がしていたホッケーに興味を持ち、競技を始めたのは小学1年生の時だった。
伊予高校に進学すると、創部したばかりの女子ホッケー部に入部し、仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)してきた。試合の前では円陣を組み「明るく笑顔で最後まで」の言葉で気合をかけ合う。
伊予高校 女子ホッケー部・平井愛乃選手:
創部1年目というので、自分たちで全部作っていかないといけないプレッシャーも結構あったんですけど。全部に初めて「初優勝」とか「初出場」とかついていくのがすごくうれしくて

女子ホッケー部は創部2年目の2023年、ようやく人数がそろい初めて出場した県総体でいきなり優勝。その勢いでインターハイに出場しベスト8に入りインパクトを与えた。最終学年となった2024年は、主将としてさらなる高みを目指している。
伊予高校 女子ホッケー部・平井愛乃選手:
チームとしての目標は、四国を三冠制覇することと全国でベスト4に入ること
信念は「雲の向こうはいつも青空」
競技に取り組む姿勢や試合へかける熱い思い。日本代表で学んできたものをチームメイトに伝えようとする姿勢に、岩城慎也監督も厚い信頼を寄せている。

伊予高校 女子ホッケー部・岩城慎也監督:
人一倍ストイックで何に対しても真面目なので、主将としても周りから見てこの子についていきたいなと思うような性格だと思います
この日の練習で行われた持久力を測るシャトルランでも、口から漏れたのは「(自己ベスト)更新できんかった…」という悔しさのにじむ言葉。
決して妥協しないストイックな姿勢は、コロナ渦だった中学生の時に15歳以下の日本代表候補に選ばれた経験が大きいという。

伊予高校 女子ホッケー部・平井愛乃選手:
全国のチームのうまい選手たちとの力の差をすごく感じて、(それから)絶対手を抜かないって決めているので。コロナ渦で練習できない時期もあって、どんなに苦しいことがあっても、必ず苦しいことの先には、明るい良いことが待っているという意味を改めて実感

平井選手の心に宿るのは「雲の向こうはいつも青空」。2024年も18歳以下の日本代表入りを目指して、7月の最終選考会に臨む。その先に見据えるのは、夢の大舞台だ。
伊予高校 女子ホッケー部・平井愛乃選手:
オリンピックで選手になって活躍することが一番大きな夢です。これから体力面も自分の強みを鍛えながら、技術面もこのホッケー場でたくさん鍛えていけたら
ホッケーの街で育まれる新たな才能。平井選手は「未来のさくらジャパン」を目指して、常に全力で挑戦を続ける。
(テレビ愛媛)