大谷翔平選手の元通訳、水原一平容疑者の“違法賭博疑惑”が急展開を迎えました。

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水原容疑者の捜査について、アメリカ連邦検察は日本時間4月11日、水原容疑者を不正送金で訴追したと発表。
連邦検察によると、水原容疑者は大谷選手の口座から1600万ドル、日本円で約24億5000万円を不正に電子送金した疑いがもたれています。

水原容疑者をめぐっては…。

米・NYタイムズ電子版「オオタニの元通訳が、容疑を認める方向で交渉中」
4月10日(現地)米・ニューヨーク・タイムズ電子版は、水原容疑者は司法取引に応じ、
“容疑を認める方向で交渉中”などと報じていました。

そして、日本時間11日午前2時過ぎに行われた米連邦検察による会見で、多くのことが明らかになってきました。

米連邦検察会見「水原氏は大谷氏になりすましていた」

アメリカ連邦検察会見:
強調したいのは、この件で大谷選手は被害者だということだ。
大谷選手は、これらの送金を承認したことや、水原氏に彼の口座にアクセスする許可をしたこともないと述べた。

アメリカ連邦検察会見:
我々がこれまでに数週間かけて集めた証拠によると、違法スポーツ賭博の支払いをするために、水原氏は大谷氏から合計で1600万ドル(約24億5000万円)を盗んだ。

アメリカ連邦検察会見:
例えば、私たちは、水原氏が、銀行にブックメーカーへ多額の電信送金を承認させるために、大谷氏になりすまして大谷氏の個人的な経歴情報を提供し、それによって銀行員を納得させた通話録音を入手した。

また、水原氏はたまに彼のスポーツ賭博で勝つこともあったが、その賞金は大谷氏の銀行口座ではなく、水原氏の銀行口座に振り込まれていた。

アメリカ連邦検察会見:
銀行詐欺の法定最高刑は禁錮30年。しかし、有罪判決を受けた場合の最終的な量刑は、裁判官の判断に基づく。
裁判官がすべての要素、すべての背景を考慮し、適切な量刑を決定する。

先ほど私が述べたように、本件において大谷氏は被害者である。大谷氏は完璧にこの捜査に協力したということを私は明確にしておきたい。

連邦検察によると、水原容疑者は大谷選手の銀行口座にオンラインでアクセスしていて、連絡先が水原容疑者の電話番号などに変更されていたといいます。

また、録音された銀行とのやり取りの電話では、水原容疑者が大谷選手だと偽り、送金を承認させようとする様子が記録されていたということです。

当局が、水原容疑者と大谷選手の何年にも及ぶ数千のやり取りを調べたところ、大谷選手が関与していたことを示す証拠はなく、水原容疑者は胴元とのやりとりで大谷選手から金銭を盗んでいることを認めるようなやりとりがあったということです。

アメリカの4つの州で活動する 吉田 大弁護士:
司法取引によって、早い段階で水原氏の罪というのを確定すると思います。素早く刑を確定して、有益な情報をどんどん手に入れて、“本丸”“二の丸”に行くのか、という判断をする上で、当局としては司法取引を有効に使って、迅速に本来のターゲットに行きたいという意向があると思います。

連邦検察によると、水原容疑者は日本時間の4月13日午前6時までに、ロサンゼルスの連邦地方裁判所に出廷する予定だということです。

めざまし8スタジオでは、国際弁護士の樋口国際法律事務所・樋口一磨氏に、現在の現地の捜査状況について聞きました。

倉田大誠アナウンサー:
額でいうと24億5千万円という額、やはりこの額というところは驚きでしたし、量刑というのがこれからどうなっていくのか。あとは、このなすましていたという部分ですよね。本人がつまり窓口になって、その巨額の大金が動いたときの確認電話も、もしかしたら水原容疑者が自分のところにかかってくるように変更していた。そういった可能性が、今指摘されていると。

MC 谷原章介:
より悪質性も高くて巧妙ですし、法廷最高刑が禁錮30年ってありましたけれども、気になるのは20数億円と大きくなった金額。それを大谷さんは取り戻すことができるのかどうか、そして明日きちんと出頭するのかですね。

倉田アナウンサー:
当初は6億8千万円と言われてましたから、3倍を優に超える額ということになりました。そして、一部情報になりますけども、期間というものも、もしかしたらもう少しさかのぼっているかもしれないという状況ですね。

倉田アナウンサー:
国際弁護士の樋口さん、日本とは違ったアメリカの捜査の流れ、そして司法の取引というものがあると思うんですが、このあたり樋口さんは、どうご覧になっていますか?

国際弁護士 樋口国際法律事務所 樋口一磨氏:
今回かなり早いスピードでここまで進んだという印象は持っています。それは今の話にもあったたように、おそらく司法取引のようなやりとりが、水原さんと捜査当局との間であった可能性は大きいのではと思っています。

MC 谷原章介:
アメリカ国内では、大谷さんも実はこの送金に関わっていたんじゃないかという報道も一部あったりしましたが、この捜査当局の発表で、大谷選手の潔白は完全に証明されたと思っていいのでしょうか?

国際弁護士 樋口国際法律事務所 樋口一磨氏:
はい。私はそういうふうに理解しております。捜査当局は、かなり大谷さんは被害者だということを、あえて強調して述べていたのが印象的でした。それを言わなくても水原さんを起訴するアナウンスメントですから、大谷さんが被害者であるということを、あえて言わなくてもなくてもいいところを強調してましたので、そこはある程度、捜査当局としても意識していたのでは。銀行詐欺ということで、大谷さんを被害者とする窃盗とか横領っていうよりも、さらに大きな国家レベル、連邦レベルの銀行システムを被害者とする大きな犯罪ということになっていますが、いずれにせよ、大谷さんは被害者であると明確にされたので、大谷さんに賭博の嫌疑がかかるという、我々が一番心配していたところについては、かなり距離が置かれたのではないかと思います。

倉田アナウンサー:
銀行も被害者ということで罪名が銀行詐欺とうことになると思うんですが、あす4月13日の出廷以降、水原容疑者の身柄というのは、どのようになっていくのか、拘束などあるのでしょうか?

国際弁護士 樋口国際法律事務所 樋口一磨氏:
いわゆる逮捕ですと逮捕されるならとっくに逮捕されているはずなので、身柄拘束があるとすれば判決、評決の結果として、刑罰という形で刑務所に連れて行かれるかどうかということになります。それがどのタイミングで起きるのか、あるいは執行猶予がつくのかどうかは、裁判官の判断ということになりますが、司法取引のようなやりとりがあったとすると、比較的そこは寛容な判断になる可能性もあります。

MC 谷原章介:
現時点では銀行詐欺という罪名ですけども、ここに例えば大谷さんからの窃盗、横領という罪が加算されることはあるのでしょうか?

国際弁護士 樋口国際法律事務所 樋口一磨氏:
理論的にはありますが、おそらく本件ではない可能性が高い。大谷さんを被害者とする罪は、当然被害者である大谷さんが水原さんを罰してほしいという意思を踏まえて、捜査当局が判断します。でも大谷さんは今までのところどちらかというと残念だという言い方をしていますが、水原さんを許せないとかというニュアンスではないので、可能性としてはありますが、窃盗とか詐欺とかは州の法律なんですが、銀行詐欺というのは、全米にまたがる銀行システムに対する詐欺なので、連邦法なので次元が違うんですね。

MC 谷原章介:
当初は6億8千万円という金額が今回一気に20数億円まで拡大したわけですけど、驚いた方も多いと思いますが、ここで収まると思いますか?さらに広がる可能性はありますか?

国際弁護士 樋口国際法律事務所 樋口一磨氏:
それはわかりませんが、あるでしょうね。
(「めざまし8」4月12日放送より)