そろそろ冬用から夏用にタイヤ交換を考える時期だが、交換後、特に注意が必要なのが「脱落事故」。タイヤが外れる前には「ある音」がするということで、事故を防ぐポイントを専門家に聞いた。

タイヤ脱落事故の“最大の原因”

運転中、目の前で起きたまさかの事態。反対車線を走る車が突然、ガクンと傾くと、真横を外れたタイヤが転がっていく。

岐阜で起きたタイヤの脱落事故
岐阜で起きたタイヤの脱落事故
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これは3月25日に、岐阜・神戸町で起きたタイヤの脱落事故の様子だ。高くはずんだタイヤは、右の道から出ようと待っていた車にぶつかったように見える。

北海道で起きたタイヤ脱落事故
北海道で起きたタイヤ脱落事故

2023年11月にも、北海道で軽乗用車から外れたタイヤが当時4歳の女の子にぶつかり、意識不明の重体となる事故が起きている。

全国的に後を絶たないタイヤ脱落事故の最大の原因は何なのだろうか。

JAF山形支部・野川智伸さん:
タイヤが外れてしまう原因は、そもそもホイールナットの締め忘れや、ホイールナットのゆるみが原因になると考えられる

走行中の「ゴトゴト」音は危険サイン

タイヤ交換をした時にしっかりと締めたつもりでも、タイヤを固定するネジは、時間とともにどうしてもゆるんでしまうことがあるという。
そして、ネジがゆるんだ状態で走っていると、「運転中にある異音が聞こえるようになる」という。

JAF山形支部・野川智伸さん:
タイヤのネジがゆるんだ状態では、極端な例だがタイヤが走行中動くので「ゴトゴト」音がする。この状態で走ると、ボルトと接触する部分の穴がどんどん広がって、最終的にはネジが脱落しボルトが折れ、タイヤが外れてしまう

走行中にタイヤがグラグラ動くことで、「ホイールの穴」と「ボルト」がぶつかり、大きな音が出る。「ゴトゴト…」と運転中に、車の下からこのような音が聞こえたり、振動を感じたりすることがあれば、危険のサイン。すぐに車を止めて、タイヤを確認してほしい。

簡単に入手できる工具で脱落事故防止

危険なネジのゆるみを防ぐための「トルクレンチ」。あらかじめ決めた強さで締めることができる工具で、ホームセンターなどで買うことができる。

ホームセンターなどで手に入る「トルクレンチ」
ホームセンターなどで手に入る「トルクレンチ」

JAF山形支部・野川智伸さん:
これは数千円だったはず。(Q.そのくらいの価格で十分?)狂いがなければ、締めつける力さえわかれば大丈夫

締め付ける力は車ごとに決まっている
締め付ける力は車ごとに決まっている

締め付ける力は車ごとに決まっていて、車の「取扱説明書」に必ず書かれている。この車の場合は、103ニュートンメートルだった。トルクレンチで「カチッ」と音がするまで締めることで、適正な強さで締め付けができた。

JAF山形支部・野川智伸さん:
タイヤ交換をしたら、きっちり締めるのが大切なので、トルクレンチを使ってしっかり締める。その後走行したらまたゆるんでいないか再確認をしてもらい、タイヤの脱落事故を防いでほしい

一度起きてしまうと、自分だけでなく、周りにいる人にも被害を及ぼすおそれがあるタイヤの脱落事故。ふだんの点検次第で、防ぐことができる事故でもある。

(さくらんぼテレビ)

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さくらんぼテレビ
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