元通訳の水原一平氏の違法賭博問題に揺れるドジャースの大谷翔平選手。日本時間の26日午前6時45分ごろ、メディアの前で今の思いを語りました。

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大谷翔平選手:
正直“ショック”という言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の言葉では表せないような感覚で…この1週間くらいはずっと過ごしてきたので。今はそれを言葉にするのは難しいと思っています。

長年連れ添った水原氏の裏切りに、ショックを受けたと話す一方で、終始「僕自身は賭けたり送金依頼をしたりはない」と強調した大谷選手。

韓国での第1戦が終わった後のミーティングで、初めて水原氏に借金があることを知り、その後ホテルに戻った後、水原氏から「口座を勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していた」と告げられたといいます。

大谷翔平選手:
今シーズンも本格的にスタートするのでここからは弁護士の方にお任せしますし、僕自身も警察当局の捜査に全面的に協力したいなと思います。
気持ちを切り替えるのは難しいですけど、今シーズンに向けて精いっぱい、きょうお話しできてよかったなと思っているので、きょうはこれがお話しできるすべてなので質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います。

大谷選手の声明を専門家はどう見たか

今回の声明を受けて、米・カリフォルニア州、ニューヨーク州の両州で弁護士資格を持つ村尾卓哉氏は、このように感想を述べました。

村尾卓哉弁護士:
思ったよりは突っ込んだ話をされていて、送金の行為の問題とか、今回の件をいつ認識したのか。今回の件がなぜ当初の説明から食い違いがあったのかなどはある程度クリアになったのだと思います。ただ一方で、やはり口座の管理をどうしていたのか。なぜ一平氏が無断でアクセスできたのかという部分は、そこまでクリアにはならなかったと思うんですけども、ここに関しては犯罪の手口に関わる部分なので、そこに関しては捜査当局の捜査に委ねたいということで、あえて特定を避けたのだろうと推察しました。

武井壮氏:
スポーツやっているので分かるのですが、ほんのちょっとのストレスでも、まともにトレーニングとか練習にも打ち込めない精神状況になったりとか、僕もしたことあるし。本当に大谷選手がそういう精神的負担がなくなって、プレーできるようになってくれたらいいと思うし、色々なサポートがあったらいいなと思います。

MC谷原章介:
大谷選手はスポーツ賭博、送金への関与は強く否定したと同時に、まだ「一平さん」って呼んでいるんですよね。だからどこかで情が残っているところも感じてしまいます。

「巧妙なスキーム」巨額の送金が“できてしまった”理由

フジテレビ解説委員・風間晋氏:
大谷さんの口座から送金が行われた、そんなことがあり得るのかという観点について、大谷さん本人の管理責任的な観点からの議論がとても多いんですけど、僕自身は銀行側がそれを許してしまっているというところは、とても大きい問題だと思います。
銀行の口座管理・送金管理の問題、あるいは送金された相手の口座が実は違法賭博のディーラー関連の口座だったりする、あるいは本人ではないのに50万ドルもの送金が行われてしまっているという意味において、銀行を取り巻く問題がいずれクローズアップされてくると思うのですが、いかがでしょうか?

村尾卓哉弁護士:
そもそも、なぜ送金できてしまったのかという話は疑問にあると思いますが、かなり巧妙に偽造されたという可能性もありまして、過去にバスケのリチャード・ジェファーソン選手の秘書が、今回とほぼ同じ額を横領したというのがあって。その事件の際には代理人は選手の署名を偽造して、選手の名前の口座を開設し、そこでお金を自分のためなどに使っていたと起訴されました。

なぜ今回説明できなかったのかということを推察すると、相当巧妙なスキームでお金を取っていたのでは。ボウヤー氏の口座へ送金の点に関しては、やはり違法な組織ですので、例えば表向きはきれいな会社・きれいな口座を複数持っていて、銀行側もそれは確知できなかったという可能性も十分にあり、現時点で大谷選手が説明できないのは「本当に分からない」という可能性もあるのではないだろうかと。

――ボウヤー氏側に返金の請求や訴訟を起こすことは可能なのですか?
もちろん刑事罰等を含めて捜査が進んでいって、それが違法なお金であるということであれば、被害者への返還というのも考えられます。
ただ、そもそもこういう違法組織ですので、バックのもっと大きなシンジケートに流れていて、彼の手元には表向きはない、返せないということも十分にありえるだろうと。

――大谷選手は声明の中で「窃盗」と表現していますが、勝手に送金をして盗まれたんだと思っているということでしょうか?
そこまでの意味は含んでいないと思います。大谷選手ももちろん法律の専門家ではないので、「盗まれた」と広い意味で使っているのではないかなと。

――「弁護士の方々にお任せします」と話していたのですが、これはもう刑事告訴の段階まで進んでいると?
そうですね、大谷選手の弁護士が発表したコメントを見ると、当局に引き渡したと先週時点で書いておりましたので、少なくとも告訴はもう完了しているのかなと。

風間晋氏:
大谷さんは今回、絶対に嘘はつけないんです。この会見の中で嘘をついていたと万が一にも発覚したら、もうおしまいです。ですから今回のステイトメント、カメラの前で大谷さんがしゃべったことというのは、本当に嘘がない話で説明を絶対にしなくてはいけないというのが、ドジャースであれ、大谷さんのチームであれ、そこが一番気を使った部分だと思います。

MC谷原章介:
改めてその管理の在り方、大人としてというか人としてとても大事な部分ですから、もしかしたら大谷さんに落ち度があったのかもしれません。ただ今後も捜査等でどういう段取りでお金が振り込まれたかが分かってくるとは思うのですが、お金のことより自分として一番大事なパートナーがそんなことをしてしまったというショック、その精神的ショックがどうシーズンに影響してくるのか、そこも心配ですね。
(めざまし8 3月26日放送)