新生活が始まるのを前に引っ越しの件数がピークを迎えている。しかし、ことしは例年以上に引っ越し業者の予約が取りにくい状況となっている。いったい、なぜなのだろうか?

【動画】引っ越し予約が取れない 4月から『改正働き方改革関連法』が影響

■引っ越しのシーズンがやってきた

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21日午後、70歳代の母親が10年以上住んだ部屋の引っ越し作業に追われる田中さん。

田中さん(仮名・30代):ここ母が住んでいて、僕は東京に賃貸で住んでいて、家賃を2重で払っていくの、もったいないなって思って。大阪にマンション買って、そっちに引っ越す感じです。

1人暮らし分の荷物ですが、2トンのショートトラック2台分、100箱の段ボールと家具、家電と大掛かりな引っ越しになった。

作業中の引っ越し業者に話を聞くと、「めっちゃ忙しいです。きょうもここ3軒目の引っ越しで…。早く終わったら、他のチームの応援にも行くので、3月末なので一番忙しい時期です」と言う。

■いつもより早いピーク 原因の1つは「2024年問題」

全国日本トラック協会によると、ことしは先週3月16日から引っ越しのピークに突入している。

実は、例年よりも1週間ほど早い引っ越しシーズンの始まりとなっていて、この原因の1つと考えられているのが、いわゆる「2024年問題」だ。

4月、改正・働き方改革関連法が施行され、トラックドライバーの年間の時間外労働時間が、960時間まで制限される。

引っ越し作業に従事するドライバーも、1日に抱えられる仕事量が減るため、引っ越し業者は「予定を前倒しにする」ことで、ドライバーの確保に動いているのだ。

ブレックス 豊嶋啓三事業本部長:前年から比べますと、だいたい3~4割、件数が増えている。3月はもう引っ越しを受けられない状況が、10日前ぐらいから続いている。

新型コロナが収束したこともあり、ことしは転勤が増加傾向にあるということで、この会社では3月すでに、近畿圏で毎日50件ほどの引っ越しを抱えていて、協力会社の手も借りて何とか回している状態だ。

ブレックス 豊嶋啓三事業本部長:見ての通り、3月はこのような状況ですので、4月以降の受注じゃないと、まかないきれない。日程を調整していただくとか、ちょっと転勤をずらしていただくとか。4月の第2週目以降、GWまでぐらいに行っていただけるとありがたい。

引っ越したくても、引っ越せない…“かもしれない”深刻な状況。

さらに、無事、引っ越し業者が見つかったとしても、こんなトラブルに見舞われる可能性も…。

「入居時から傷がついていたのに、現状回復の費用を請求された!」
「入居時に『いらない』と言われた、ルームクリーニング代を請求された!」

■賃貸住宅の退去費用をめぐるトラブルも増加

引っ越しシーズン、まっさかりのこの時期、増えるのが賃貸住宅の退去費用をめぐるトラブルだ。

国民生活センターによると、修繕などの「原状回復」に関するトラブルの相談が、毎年1万3000から1万4000件寄せられていて、特に、2月から4月にかけて増加するということ。

引っ越し作業中の田中さんも修繕費について気になる部分があり…
田中さん(仮名・30代):(カーテンレール)壊しちゃってて…、追加で費用かかるって言われたら、仕方ないかなって気がしてますけど、10万とかになると争いが始まるかな…。

10年以上住んだ部屋ということもあり、エアコンを外した後の壁の傷や、床にはへこみもある。

田中さん(仮名・30代):壁紙は全部、換えないといけないかも。この範囲、全部換えるとなると、大変な金額なるやろうなと予想はしてる。僕の認識と大家さんの言い分が違うと、もめるかもしれない。

気になる引っ越しの「修繕費」だが、そのお金を払う必要はあるのだろうか?。

(関西テレビ「newsランナー」2024年3月21日放送)

関西テレビ
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