3月20日、大谷翔平選手VSダルビッシュ有投手の初対戦で大いに盛り上がったメジャーリーグ開幕戦。世界中のファンが固唾をのみながら“世紀の一戦”を見守っていました。

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小室瑛莉子アナウンサー:
開幕戦まであと30分となりました。入場ゲートへ向かう道には多くの人がいます。

熱気が高まる現地・韓国の高尺スカイドームに続々と入場していくファンたち。しかし、試合15分前にもかかわらず、大きな応援ボードを持って球場の外にいる女性たちが…。

――試合まであと15分くらいですが、中には入らないのですか?
名古屋から来たファン:

チケットがないんです…買えませんでした。大谷くんにこれを見てほしかったんです。

チケットが買えず、現地の球場でなんとかチケットを手に入れたいと名古屋からやってきた日本人の女性。同じくチケットを探す、広島から来た女性と知り合いになったといいます。

2人は球場に入ることはあきらめ、歩いて5分ほどの距離にあるピザ店で試合を観戦することにしました。

広島・名古屋から来たファン:
いえーい!ショウヘーイ!

大谷選手VSダルビッシュ投手との世紀の対決

第1打席、初球は高めの直球が外れてボール。そして、2ボール1ストライクとなった4球目でした。ショートゴロで併殺となりそうでしたが、俊足の大谷選手はファーストベースを駆け抜けました!

3回表、注目の第2打席。大きな打球が飛び球場は盛り上がりますが、惜しくもファール。
そして迎えた第5球。ライト前に運ぶ技ありの一打で、移籍後初・今シーズン初ヒットを記録します。

第2打席 ライト前ヒット
第2打席 ライト前ヒット

ピザ店で観戦していた日本のファン2人も、大きな顔の大谷パネルを掲げて喜びます。

広島・名古屋から来たファン:
カモーン!おー!いえーい!

ショータイムは、まだまだ終わりません。
初ヒットの直後、大谷選手は初球で盗塁を決めると、はにかんだ表情を見せました。

初盗塁を決める大谷選手
初盗塁を決める大谷選手

広島・名古屋から来たファン:
すごい!!!

――ビール飲んでいる場合じゃなかったですね?
ほんとだよ!見逃した~みたいな…。

この回、満塁のピンチを迎えたダルビッシュ投手は、気迫のピッチングで三振に抑え、マウンド上で2度吠えました。

その後、降板したことでダルビッシュ投手との初対決は、2打数1安打という結果に。

 
ダルビッシュ有投手
ダルビッシュ有投手

終わってみれば、大谷選手は5打数2安打1打点に1盗塁。記念すべき“ドジャース初戦”を勝利で飾りました。

野球解説者・鶴岡慎也が語る 大谷の“盗塁”

日本ハム時代に大谷選手のプロ初勝利試合でキャッチャーを務め、ダルビッシュ投手とも7年間バッテリーを組み、さらに去年のWBCではブルペンキャッチャーとして、2人と共に優勝に貢献した野球解説者の鶴岡慎也氏は、大谷選手のバッティングについてこう話します。

野球解説者 鶴岡慎也氏:
ダルビッシュ投手から1本打ったあの打席は、ホームラン狙ってましたね。最後に打った球も甘かったんですけど、ダルビッシュ投手としては、長打にならなくて良かった、大谷選手としては、打ち損じたかなという打席だったと思うんですけど。僕はそれよりも、その後に盗塁したんですよね。その盗塁がものすごく技術的にもレベル的にも高かったと思います。しかも1球目。

――キャッチャー目線だと、どこがスゴいのでしょうか?
野球解説者 鶴岡慎也氏:

20日の盗塁の大谷選手のタイムなんですけど、ダルビッシュ投手が動き出してから2.8秒とか2.9秒(※番組調べ)で盗塁したらしいんですよね。周東選手、ホークスで一番足が速い彼が3.19秒。ピッチャーがクイックしてキャッチャーに球が到達するまで3.3秒でストライク投げないと、盗塁ってアウトにできないんですよ。でも2.8秒ってことは、フライングしてるんですよ。フライングしないと2.8秒っていう数字は出ないんですよ。

――完全にモーションを盗んでということですか?
それぐらいダルビッシュ投手の球すじとかも研究しているけど、クイックモーションとかけん制のタイミングとかも、すべて頭に入った上で臨んでいるなと。研究心がすごいです。

20日の盗塁で日米通算100盗塁を達成した大谷選手。
内訳を見ると、日本では13回、メジャーでは87回と、メジャーに行ってからその数が大幅に増加しています。この理由について、鶴岡氏は「日本人ピッチャーはけん制などがうまく、なかなか盗塁が難しい」といいます。

MC谷原章介:
メジャーだとクイックがちょっと遅かったりとか、けん制をこまめにやらなかったりとかで日本の野球とスタイルが違う面もあって、盗塁しやすいとは思うんですけど、そんなメジャーでも活躍している、日本のトップでもあるダルビッシュさんから盗塁を決めたということは、大谷さんの方が1枚、2枚上手だったと、今回は。

野球解説者 鶴岡慎也氏:
今回はランナーとしては1枚上手でした。ですけど次、対戦する時にダルビッシュ投手も研究して、次の打席とかは、結構しつこく2回まではけん制していいので、うまいことけん制してくると思います。
(「めざまし8」3月21日放送)