大阪府に住む女性が、現金およそ1億9500万円をだまし取られる詐欺事件が発生し、警察が捜査している。

警察によると、去年12月、大阪府に住む60代の女性のスマートフォンにNTTファイナンスをかたり、「ご利用料金について話したいことがある」と記されたメールが届いた。 メールには「本日中にこちらまで電話ください」と電話番号も記載され、女性が電話をかけると、『NTTファイナンスのハナオカ』とかたる人物が電話に出た。

■『場合によっては刑務所に入るのでは…」と怖くなった 億単位の預金や資産話してしまう

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女性は、ハナオカから「ずっと(電話料金を)滞納しているので、このままでは裁判になりますよ」とうその説明を受けたが、『場合によっては刑務所に入るのでは』と怖くなり、ハナオカから「裁判はお金を払ったら止められます」と言われ、億単位の預金や資産をしゃべってしまったという。

女性は「裁判を止める費用」としてまず98万円を指定された口座に振り込んだ。その後、ハナオカから「もっとお金を払わないと裁判を止めれない」と言われた上、ハナオカに紹介された個人情報保護協会とかたるサワタリと名乗る人物から、「逮捕状出てます」などと言われ、毎日100万円単位を振り込んだ。

■「お金を工面しよう」と銀行へ行き事態発覚 約1億9500万円だましとられる

女性は「金がつきた」と伝えたが、サワタリから「警察に逮捕されます」と言われ、さらに「ネットバンキングからでないと無理」と伝えられたため、女性は、アプリをダウンロードし、遠隔でネット口座を4つ開設させられた。

2月上旬、女性が『振り込むためのお金を工面しよう』と銀行に行った際、銀行員がおかしいと思って警察に通報し、事態が発覚した。

女性には、実際に電話料金滞納はなかったが、計64回(銀行振込31回、ネットバンキング33回)振り込まされ、合わせておよそ1億9500万円をだましとられたということだ。

■「裁判という言葉でパニック。ハナオカにすがる思いでした」

女性は、警察の聞き取りに「電話料金の未払いがあると言われすごく不安になった。このままでは裁判になると強めに言われた。裁判になるほど大ごとにはなると思っておらず、頭の中は『裁判』という言葉でパニックになった。裁判はテレビの世界でしか見たことがない。場合によっては刑務所に入る認識でした。とてもじゃありませんが平常におられませんでした。そんな中、ハナオカから『安心してください。お金を払えば裁判は止められる』と言われ、安堵した。裁判の知識がないので、ハナオカにすがる思いでした。手続きの一環として銀行口座を聞かれたので、すべて正直に言ってしまった」と語っている。

警察は詐欺事件として捜査している。

関西テレビ
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