13日、迎えた春闘の集中回答日。賃上げに満額回答が相次いだ。
どの会社でいくら上がるのか。給料アップの最前線を取材した。

要求額を上回る賃上げを回答した企業も

多くの報道陣が詰めかけた東京・中央区にある主要な労働組合が集まる事務所。注目の瞬間は、午前11時55分に訪れた。

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トヨタ自動車の経営陣は、最大で月額2万8440円の賃上げを求めた労働組合に対して、満額回答。ボーナスにあたる一時金は、過去最高の月給7.6カ月分となるなど、4年連続の満額回答となった。

2024年の春闘のヤマ場となる集中回答日を迎えた13日、真っ白なボードには続々と経営側から示された賃上げ額が書き込まれていった。

鉄鋼大手では、日本製鉄が月3万円アップの要求に対し、要求額を上回る3万5000円の賃上げを回答。

大企業では、高い水準の賃上げの動きが広がり、ホワイトボードには満開ならぬ満額の花が真っ赤に咲いた。

街からも、うれしい賃上げ報告が寄せられた。

会社員営業(30代)・賃上げあり:
(月額)40万円ぐらいもらってて、41万円ぐらいになるんじゃないか。

Q.賃上げある
入社約30年目 建築業(60代):
あります、5%くらい。好調ですね。建設関係なんですけど。(給与額は)まあ...1000万円。

初任給を一律40万円に!?

そうした中、人気のアパレル企業の中には、驚きの給料アップを実現したところがあった。

ファッションブランド「UNITED TOKYO」などを展開する「TOKYO BASE」。

3月に入社した新卒社員の初任給を、従来の30万円に10万円を加え、一律40万円に引き上げると発表した。

TOKYO BASE 広報・村瀬瑳映さん:
日本一のファッション企業になるということを目標に掲げています。なので、給与体系も日本一の水準にするべきと考えている。

支給される40万円は、固定残業代としての月17万2000円と交通費などを含んだもの。

同時に全従業員を対象としたベースアップも実施され、全社員の月額支給額が40万円以上になるという。

入社3年目を迎える筒井さんも、15日に支給される給料から一気に金額がアップすることになりウハウハ。

来月から入社3年目・筒井萌斗さん(25):
正直うれしいですね。今まで行けなかったレストランやホテルに行ってサービスの勉強がしたい。

本業の合間の「スキマバイト」増加

一方で、多くの人から“給料アップは期待できない”という悲観的な声が上がっているのも事実。

会社員(20代)・賃上げなし:
わたしにはまだ縁のない話。出費ばかりで、毎月赤字。

エンタメ関係(20代)・賃上げなし:
お給料は変わらないし、物(価)がどんどん上がっていくので、副業するのが主流になっていくのかな。隙間時間にちょこちょことか。

物価高騰が続く中、給料が据え置きでは生活が厳しくなるばかり。そこで、本業の合間に「スキマバイト」をする人も増えている。

13日午前、都内の喫茶店でスキマバイトに励んでいたのは、本業はイラストレーターだという男性。仕事の合間に3時間ほど働き、バイト代は3700円ほど。

あるスキマバイトの仲介業者によると、登録者数は3年で3倍に増加し、700万人を超えたという。登録者のうち、約3割が会社員。

スキマバイトサービス「タイミー」の利用者:
月曜日から金曜日は普通にOLをしています。子どもたちが大きくなるにつれて、スキマバイトを始めてみようかなと。

本業は事務員という、30代の女性。2人の子育てに励みながら、週末の空き時間を活用。飲食店などでのスキマバイトをこなし、月に3万円ほどの副収入を得ているという。

そして、この春には本業での賃上げもあるのではないかと期待を寄せている。

Q.賃上げは
スキマバイトサービス「タイミー」の利用者:
来週上長と面談になるのでドキドキです。上がったとしても5、6000円ですね。
(「イット!」3月13日放送より)

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