9日午前11時すぎ、急きょ、打ち上げ中止となった民間企業の小型ロケット「カイロス」。打ち上げ会場では観覧者から「え~!せっかく!ショック~」と落胆の声が上がった。
■民間ロケット 打ち上げは延期

観覧客:絶対次は飛んでくれると思うので、期待してまた見に来ようかなと思います
株式会社スペースワン・阿部耕三執行役員:何としても今日(9日に)打ち上げたいという思いでやって参りました。次はご期待に添えるように、全力を尽くしたい
打ち上げ中止の理由は、設定していた海上の警戒区域に船舶が確認され、「発射予定時刻での安全が確保できなかったため」ということだ。
多くの人たちが期待していた本州最南端の町からの民間ロケットの打ち上げ。地元の人たちも長い時間をかけ準備を進めていた。串本町にある串本古座高校。この高校には、来年度から公立高校で初となる、「宇宙探求コース」が設置される。

コースを担当する藤島先生は、JAXA=宇宙航空研究開発機構での勤務経験があり、去年の4月に赴任してきた。
藤島徹先生:望遠鏡持って行ってみんなで観望会しようかとか、ロケットを作って打ち上げようかとか、フィールドワークもたくさん盛り込もうと思っています
■地元を盛り上げたい!地元の高校生が発案「ロケットまぜそば」

地元からのロケット打ち上げにかつてない期待を寄せる高校。生徒たちは、目の前でロケットが見られる機会を生かし地元を盛り上げようと、2年以上前からオリジナル弁当の販売を計画した。
串本古座高校の生徒:田舎の町とよく言われるので、まさか地元からロケットが打ちあがるなんて…と、ものすごく驚きました。私たちも何かできることがあればいいなと考えました。

完成したのは、その名も「ロケットまぜそば」。 麺に紀州備長炭を練り込んで夜空を表現したといい、地元のさつまいもを使うなど食材にもこだわりました。
串本古座高の生徒:県外の方に食べていただくことで、地元の良さを知ってもらいたいのが一番の思い
そして迎えた、打ち上げ当日。見学場の、「ロケットまぜそば」のブースには、長い列が!お客さんからは「もちもちしてて、スパイシーでおいしいです」の声が。
串本古座高の生徒:こんなに人が集まるのは、おそらくきょうが初めてなんじゃないかなと思うので、ほんとに都会のイベントのような感覚です

しかし…この日の打ち上げは日程が変更となった。
串本古座高の生徒:延期になったのはちょっと残念だけど、絶好の状態でまた打ちあがってくれることを願うばかりです
串本古座高・藤島徹先生:(生徒が)長年考えてきた企画がようやく形になった。みんな一生懸命やっていて、それをやっている傍らロケットが飛んでくれるのが一番ハッピーなストーリだったんですが
打ち上げは残念ながら延期となりましたが、地元の人たちは次を見据えている。

宇宙事業会社の「スペースワン」は11日、延期されていた和歌山・串本町でのロケットの打ち上げを13日に行うと発表した。 多くに人たちが期待する本州最南端の町からの民間ロケットトの打ち上げに、期待が高まる。
【関西テレビ「newsランナー」3月11日放送)