能登半島地震発生後、石川・輪島市にあるミシュランガイド2つ星をとった人気の宿も大きな被害を受けた。宿の再開に向けて早々に準備を進め、2月1日から仮営業として営業再開させた店主を取材した。

断水が続く現状…毎朝の日課は水くみ

輪島の漁師町に伝わる漁師鍋、サバが主役のトコトコ鍋を振る舞っているのは、ミシュランガイドで2つ星の宿として紹介された「お宿たなか」の田中孝一さんだ。

輪島の漁師町に伝わる漁師鍋、サバが主役のトコトコ鍋
輪島の漁師町に伝わる漁師鍋、サバが主役のトコトコ鍋
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この宿も、今回の地震で大きな被害を受けた。

お宿たなか・田中孝一さん
お宿たなか・田中孝一さん

お宿たなか・田中孝一さん:
つぶれることなく、この建物が私たちを守ってくれた。大きな災害ですけど、それに負けていたら、もう前を向くことはできないので

能登半島地震で建物も被害を受けた(1月22日撮影時)
能登半島地震で建物も被害を受けた(1月22日撮影時)

まだ断水が続くため、田中さんの毎朝の日課は水くみから始まる。
民宿は、2月1日に仮営業というかたちで営業再開し、復旧復興に携わる人たちに宿を提供している。

毎朝の日課は水くみから始まる
毎朝の日課は水くみから始まる

お宿たなか・田中孝一さん:
毎日十何本水を配って、もらいに行って。水が使えんし、食事が提供できんもんで、各自みんな持って来てもらって個々に食べてもらって

田中さんは、地震直後からすぐ民宿再開に向けて準備を進めていた。その理由について聞くと、「外から人が入ってこないと、まず能登は復興復旧できないという思いがあって。宿泊業をやっている以上は、そういう人たちが泊まる場所って絶対に必要になると思う」と話してくれた。

スペインから感謝状贈られる

そんな田中さんに、スペイン大使館からの感謝状が届いた。

田中さんは、地震発生時に泊まっていたスペイン人と3日間避難所で過ごし、1月4日には金沢まで送ったという。

お宿たなか・田中孝一さん:
宿泊者の命を守るのは私たちの義務なので、それを果たせてよかったなと

田中さんに今後の思いを聞いた。

お宿たなか・田中孝一さん:
うちだけが復旧しても、多分だめだと思っているんです。やっぱり能登には自然があり、人があり、いろんな情緒あるものが復活して、はじめて新しい能登が歩めるのかなという気がします

(石川テレビ)

石川テレビ
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