日本政府観光局は、2024年1月の訪日外国人旅行者数が約268万人と、コロナ禍前の2019年の同月とほぼ同数になったと発表した。一方、観光客の増加と共に増えているのが、次々と検査で見つかる禁止品だ。
外国人観光客でにぎわう福岡空港で、禁止品のチェックを行う「検疫カウンター」に密着した。

大きな段ボールの中には…

福岡空港の国際線到着ロビーは、イギリスや韓国など世界各国から福岡を訪れる多くの外国人観光客でにぎわっている。

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空港の検疫カウンターでは、旅行客のカバンの中に肉や農作物などの禁止品が入っていないかチェックで忙しい。

そんな中、大きなダンボールを2つ積み上げた女性が入国した。ベトナムからやって来たという。検疫カウンターで早速、検査員が声を掛ける。

検査員:
シンチャオ!(こんにちわ!)うわ~重たいね。何入っています?食べ物?

検査員がダンボールを開けてみると、中からは黄色の箱が出てきた。

さらにその箱の中身は、大量のベトナム産のマンゴーだ。女性はベトナム産のマンゴーが大好物だというが…。

検査員:
ベトナムからのマンゴーは、持ち込みが法律で禁止されているので…処分
ベトナムからの女性:
あぁぁ…

マンゴーは持ち込み禁止品なのだ。

女性は「私、マンゴー食べたいからいっぱい買いました。ベトナムのマンゴーが一番おいしい。日本にもある、でも…、すみません…」と残念そうな様子だった。

続いて、「開けてもらっていいですか?」と検査員が声を掛けたのも、ベトナムからやって来た女性だ。バッグの中からは、タマネギの一種であるエシャロットが出てきた。

ベトナムからの女性:
日本語ではネギ。ちょっとだけ持ってきた。これは料理に使ったらおいしいです。日本にはちょっとだけしか置いていない…

ベトナム産のエシャロットは禁止品ではないが、持ち込むためには検査証明書が必要なのだ。女性は「ごめんなさい、今後は注意します」と反省していたが、検査証明書を持っていなかったため没収となってしまった。

機内食もNG!? 思いがけない物も

日本に来る前にグアムを訪れていた男性は、思いがけない物を持っていた。

検査員:
What is this?
グアムからの男性:
It's Lei

バッグには、グアムで贈られた首飾りの「レイ」が入っていた。切り花や植物なども検査証明書がない限り持ち込み禁止なのだ。男性はバッグに一緒に入れていたことを忘れていたという。

故意に持ち込もうとしたわけではなくても、世界でまん延する伝染病の侵入を防ぐため、検疫所では厳しく取り締まられる。

こうした禁止品の発見に一役買っているのが検疫探知犬だ。この日は早速、韓国からの観光客のバッグに反応した。調べてみると―。

検査員:
ハムですね。ココとココ

探知犬が反応したのは機内食のサンドイッチだった。肉製品や生の野菜などが使われている場合、たとえ機内食でも持ち込みは禁止となる。

母国の味も…残念ながら“没収”

そのほかの肉製品を持ち込む外国人も後を絶たない。カンボジアから入国した女性は―。

検査員:
何の肉ですか?
カンボジアからの女性:
豚肉です。これは自分で食べるためです

出てきたのは豚肉のソーセージだ。さらに、一緒に来日したもう1人も、牛肉を使った肉団子を持っていた。

検査員:
これは牛?豚にも見えるけど…、牛なんだ。日本にお肉を持ってきちゃいけないこと知っていましたか?

女性は首を振り、持ち込み禁止ということを知らなかった。

2人は技能実習生として来日したという。母国の味が恋しくならないように持ってきたようだが、残念ながら没収となった。

様々な思いで日本を訪れる外国人旅行者。福岡空港国際線では、日本の安全を守るため、きょうも検疫が続けられている。

(テレビ西日本)

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