天皇陛下は、2月23日、64歳の誕生日を迎えられました。

誕生日に先立ち行われた記者会見で、陛下は能登半島地震の被災者にお見舞いを述べられました。

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《天皇陛下 会見》
「能登地域は、雅子も私も、それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた地域であるとともに、昨年10月に、二人で揃(そろ)って金沢市を訪問し、県民の皆さんに温かく迎えていただいたことが特に心に残っており、その石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族と被災された方々に心からお見舞いをお伝えいたします」

学習院高等科1年、15歳のときに地理研究会の研修旅行で初めて能登地方を訪問された陛下。
輪島の漁港を訪れたほか、朝市や輪島塗の資料館を見学するなど、能登の風土と文化に触れられました。

昭和50(1975)年 輪島港を訪問された陛下
昭和50(1975)年 輪島港を訪問された陛下

その後、皇后さまとともに何度も石川を訪ねられています。

平成6(1994)年 ご夫妻で石川県をご訪問
平成6(1994)年 ご夫妻で石川県をご訪問

陛下は被災地訪問について、復旧の状況を見ながら「訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができればと考えております」と述べられました。

愛子さまの日赤へのご就職は「とてもいい考え」 

会見では、ご家族への思いも話されました。2023年からキャンパスへの通学が始まった愛子さまについては…

《天皇陛下 会見》
「今年度からは、大学のキャンパス内で先生方やお友達と直(じか)にお話ししたり、一緒に運動ができたりしたことなどが、かけがえのない経験として印象に残っているようです。また、キャンパス内の様々な場所を探索できたことも楽しかったようです」

令和5(2023)年4月 学習院大学キャンパスにて
令和5(2023)年4月 学習院大学キャンパスにて

卒業後、日本赤十字社への就職が内定している愛子さま。2年前には、災害ボランティアへの思いを述べられていました。

令和4(2022)年 成年を迎えての記者会見
令和4(2022)年 成年を迎えての記者会見

《愛子さま 会見》
「ボランティアとして被災地で活躍されている方々の様子をテレビなどの報道で目にしまして、自分の住んでいる街であるとかないとかに関係なく、人の役に立とうと懸命に活動されている姿に非常に感銘を受けました」

愛子さまから日赤に入りたいという希望を聞いたとき、「とてもいい考え」だと思われたという陛下。就職の経緯について明かされました。

令和5(2023)年 ご一家で日赤の展示をご覧になった
令和5(2023)年 ご一家で日赤の展示をご覧になった

《天皇陛下 会見》
「愛子は、昨年には私や雅子と共に、日本赤十字社から日赤の行っている様々な活動についてのお話を伺ったり、日赤本社で開催された関東大震災時における日赤の救護や医療活動などの展示を見に伺う機会がありました。このようなことを通じて、日赤の活動に携わることで、少しでも社会に貢献したいという気持ちを強く持つようになったと思われ、私たち家族ともよく話し合い、日赤で勤めることを希望いたしましたところ、日赤側にも快諾していただいたことはとても有り難いことでした」

また、皇族として活動の幅を広げられていることについて「今後も、思いやりと感謝の気持ちを持ちながら、皇室の一員として一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたいと思います」と述べられました。

「実り多い高校生活を送ってほしい」 悠仁さまの今後について

陛下は会見で、今年成年を迎えられる秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さまについて「小さい時から甥として成長を見守ってまいりました」と話し、期待を寄せられました。

《天皇陛下 会見》
「近頃は、地方や都内への訪問であったり、外国の方々との交流であったり、少しずつ、皇室の一員としての務めを果たしてくれていることを頼もしく思っています。会った時などには、トンボの話や野菜の栽培、また、クラブ活動として行っているバドミントンの話など、生き生きと話してくれますので、充実した日々を送っているのではないかと思います。これから、大学への進路についても考えを深めていくことになると思います。本人が関心を持ち、学びたいこと、やりたいこともあると思いますので、自身の将来をしっかりと見つめながら実り多い高校生活を送ってほしいと願っております」

ご結婚から30年 皇后さまに感謝「引き続きよろしく」

コロナ禍を経て、様々な皇室行事が再開されたこの1年。

令和5(2023)年 北海道「全国豊かな海づくり大会」ご出席
令和5(2023)年 北海道「全国豊かな海づくり大会」ご出席

陛下は、皇后さまとともに地方やインドネシアを訪問されたことについて「二人で無事に果たすことができたことに安堵(ど)するとともに、嬉(うれ)しく思いました」と振り返られました。

令和5(2023)年 インドネシアご訪問
令和5(2023)年 インドネシアご訪問

ご結婚から30年を迎え、陛下は皇后さまへ改めて感謝の言葉を贈られました。

《天皇陛下 会見》
「雅子は、娘の愛子の成長を見守りつつ、私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手になってくれています。本当によくやってくれていると思い、助けられることも多いです。私も、今後ともできる限り力になり、支えていきたいと思っています。30年を共に過ごし、雅子には、私からこれまでの感謝の気持ちを伝えたいと思うとともに、この先の人生も引き続きよろしく、と伝えたいと思います」

2月23日 天皇誕生日一般参賀
2月23日 天皇誕生日一般参賀

皇后さまと支え合いながら、これからも歩みを続けられる天皇陛下です。
(「皇室ご一家」3月2日放送)