絶滅危惧種イヌワシの生息地、山形・米沢市の栗子山で進む風力発電計画について、日本イヌワシ研究会は2月29日、「建設予定地から極めて近い場所でイヌワシの巣が確認された」として、計画中止を求める要望書を須藤明子会長が県に提出した。
風力発電計画中止の要望書を提出
この計画は、JR東日本エネルギー開発が米沢市の栗子山に発電用の風車を建設し、2028年度の稼働を目指しているもの。
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計画地の周辺では、絶滅危惧種のイヌワシの生息が確認されたが、事業者側は「巣は、計画地から10km以上離れていて問題ない」とする準備書を県などに提出していた。
しかし、日本イヌワシ研究会はこれに疑問を持ち、2023年秋、約20人で現地に入って独自の調査を行った。その結果…。
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日本イヌワシ研究会・須藤明子会長:
巣と風力発電機との距離が、10.83kmと事業者の準備書では出ていた。確かに巣Aとの距離はこれで問題ないが、より近い所に主たるつがいの営巣地がある。巣Bですね。3km以内。かなり近い所にある。準備書にはこれが一切記載がない
事業者側は「計画地周辺に生息するのは1つがいのイヌワシ」としているが、イヌワシ研究会の独自調査の結果、「少なくとも4~5のつがいが生息していて、計画地から3km以内という、ごく近い場所でも巣が見つかった」としている。
理由は「調査不足」か「意図的」か?
これほど近くに巣があることを、事業者側が準備書に書いていない理由について須藤会長は次のように話した。
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日本イヌワシ研究会・須藤会長:
理由は2つに1つだと思う。1つは「巣を見つけられなかった」言葉は悪いが非常にレベルの低い調査だと思う。
もう1つは、「巣があるとわかっていて、巣Bを明記したくなかった」極めて近いので、これが明らかになると非常にまずいということで、わかっていたが、あえて少し遠い巣Aを記載した。このいずれかしか考えられない
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要望書では、県に対し計画を中止するよう事業者に勧告することや、計画地の選定をやり直すこと、そしてこの計画について吉村知事がどう考えているのか見解を示すことを求めている。
この問題の発覚後、2023年12月から独自に現地での調査を進めている県は、今回の要望について…。
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県みどり自然課・岩月広太郎課長:
県環境影響評価審査会では具体的なデータを基に審査することになる。今回の要望の内容を審査する上でどのように審査会の委員に示すかは検討していきたい
イヌワシ研究会では今後、事業を認可する立場にある国に対しても同様の要望書を提出する方針だ。
(さくらんぼテレビ)