大相撲初場所は1月28日、千秋楽を迎え、関脇・琴ノ若は惜しくも初優勝を逃した。しかし、直近3場所の勝利数により大関への昇進が確実となっている。
琴ノ若の父・佐渡ヶ嶽親方の地元・尾花沢市では、市民、そして祖父母から活躍を称え、今後に期待する声が聞かれた。
「立派な息子と孫を持って幸せ」
尾花沢市民からは、「良い相撲だった! 大したもんだ」「お父さんも強かったが、それを超えていくんだからすごいと思う。親子でここまで来られるなんてなかなかない」「やっぱり土俵入りの姿が見たい、横綱の土俵入り。琴櫻を襲名して頑張ってほしい。恐らく今回は本人も相当悔しい。ぜひ優勝してほしい、次回は期待している」などの声が聞かれた。

尾花沢市に住む佐渡ヶ嶽親方の両親で、琴ノ若の祖父母にあたる今野芳夫さんととき子さんは、琴ノ若の初優勝がかかる28日の大一番を固唾をのんで見守ったと振り返る。
琴ノ若の祖母・今野とき子さん:
ここで並んで見て一生懸命応援していた。「頑張れ、頑張れ!」と

また、とき子さんは「頑張ったなって。いろんなプレッシャーの中で頑張っているから、ますます感無量で涙ぼろぼろ。親方から大関昇進をほぼ確実にしたと聞いて、『立派な息子と立派な孫を持ってじいちゃん・ばあちゃんは幸せだ』と伝えた」と喜びを語った。
「今度は勝つ」 横綱昇進にも期待
そして、芳夫さんととき子さんは「一場所ごとに安心して見られるようになってきた」と成長を感じながら、佐渡ヶ嶽親方の最高位・関脇を超える大関昇進を確実にした孫に、「もう一つ上へ」と期待を寄せた。

琴ノ若の祖父・今野芳夫さん:
すごいよ、親を抜いていったんだから、やっぱり強い横綱になってもらいたいし、今の取組には幅がある。突き押しや四つ相撲ができている。それを磨いていけば、近いうちに横綱(照ノ富士)との再戦にも今度は勝つと思う

琴ノ若の祖母・今野とき子さん:
もう1つ上に立派な役がある。ケガをしないように気をつけて頑張ってください
悔しさも吹き飛ぶ“声援感謝”セール
一方、後援会の二藤部洋会長が経営するスーパー「おーばん」では、多くの客が店内に置かれたテレビで千秋楽の取組を見守った。
初優勝を期待するのはもちろん、お目当てはもう一つあった。

店内に流れたのは、「優勝が決まった際はすぐに優勝セールを開催します。琴ノ若の応援、よろしくおねがいします」というお知らせだ。
初優勝となれば、すぐさま「記念セール」を行うとあって、客たちは息をのんで決定戦を見つめる。
そして、横綱・照ノ富士との優勝決定戦に敗れた琴ノ若。

惜しくも初優勝はならず、「セール」もお預けのはずだったが…、「あぁ…、お客様。ここまで夢を見させてもらえてありがとうございます。みなさん、優勝したつもりでやるべは。優勝したつもりでタイムサービスします」とアナウンスが流れた。

客たちは悔しがる暇もなく、特売品を目指した。
タマゴにステーキ肉・ウナギなど20品以上が半額以下に。熱い声援に感謝を込めた大サービスだ。
訪れた客は、「セールは楽しみで、きょう来た。迫力あって、堪能した」「悔しかった。買えたのはタマゴだけだった。肉はなくなっていた。次回頑張ってほしい」などと語っていた。

おーばん山形東店・縄研史店長:
負けてどんよりした空気にはしたくないと思って。たくさんの声援をもらったので、タイムサービスで還元しようと。いずれ優勝してくれると思うので、継続してやっていこうと思う。ご声援よろしくお願いいたします
おーばんでは、「琴ノ若の13勝」にちなみ、29日は13%引き、30日は10%引きのセールを行うという。
(さくらんぼテレビ)