取材スタッフ：
こちら長野駅前のバス停には日曜運休のお知らせが貼ってあります。11路線ありますね。
長野市内を中心として運行している長電バスは、1月21日から路線バス11路線、全182便の完全「日曜運休」に踏み切りました。理由は、深刻な運転手不足です。
日曜運行休止になって３度目の2月4日日曜日、めざまし８が長野駅前を取材していると、運休にも関わらず、バス停には1人の高校生の姿がありました。
バスを待っていた高校生：
(日曜運休を)完全に忘れてました。ハッ、やっちゃいました。日曜日ですよね？きょうって。ヤバい完全に忘れてた…。
――今、話していて気づいたんですか？
バスを待っていた高校生：
そうですね、うわ、やっちゃいましたこれ。
引退がかかったディベートの大会があり遅れることはできないといいます。
バスを待っていた高校生：
（悩んで）地下鉄はちょっと使えないのでタクシーで行くしかないですね。
――タクシーですか？
バスを待っていた高校生：
はい…。
2000円かけてタクシーで、会場に向かうことに･･･。
バスを待っていた高校生：
日曜日に気軽に外出とかできなくなったり、多分他の年代層の方もやっぱ日曜日になくなっちゃうってのは結構不便なんじゃないかなって。
減らすだったらまだその、じゃあこれぐらい待てばいいかなとかっていう対策はできるんですけど、完全にないってなるといつまで待っても、どうしようもない…。
住民の足を「日曜運休」に…外国人向けの「観光バス」優先へ
深刻な運転手不足…その結果、「住民の足」と天秤にかけざるを得なかったもの、それは、外国人観光客向けの「観光バス」需要です。
長電バス株式会社・乗合バス課長 小林修さん：
ちょっとその辺を天秤にかけて…、（路線バス日曜運休は）苦渋の選択って感じになります。
外国人観光客らが利用する「観光バス」。志賀高原行きのバス停には多くの外国人観光客が並んでいました。
――志賀高原に行く目的は？
外国人観光客：
Shigakogen, for skiing.（志賀高原にスキーに行くの。）
外国人観光客：
Shigakogen!It's beautiful. （志賀高原はとっても美しいところなのよ）
長電バス株式会社・乗合バス課長 小林修さん：
公共交通に携わってる会社ではあるんですけども、その前に民間企業でありますので、やっぱり多少でも会社の利益になるような仕事を中心にしてからしていかなければいけないこともありますんで。
長電バスが運行する志賀高原方面行きの観光バスの利用客は、コロナ前に比べ３割以上増加しているといいます。
観光バスの維持か、路線バスの維持か、悩み抜いた末の「路線バス日曜運休」。
背景にある運転手不足は、全国的な社会問題になっています。
長電バス株式会社・乗合バス課長 小林修さん：
これ2月（の交番表）ですね。
――何日後までシフトを組んでいる？
長電バス株式会社・乗合バス課長 小林修さん：
これだと2月6日か7日ぐらいじゃないですかね。3日後ぐらいまでです。
ようやく埋まったという、3日後のシフト。
長野営業所では、99人必要な運転手のうち、25人が不足する事態になっています。
日曜運休にバス利用者の声は…
利用客：
ほんとだ、運休じゃない！
――知ってました？
利用客：
知らない。え！？っていう。あのいっぱい本数のあったところなので。
高校生：
学校で部活をやりに行こうとしたんですけど、日曜日運休らしくて、間に合いそうにないです。
地元住民：
土日もやはり一時間に一本くらいはね、走ってほしいと思います。観光よりもやはり地元のものとしてはね。そちらも大事でしょうけれども、私もそういうふうに思いますね。不便さあったら困るわね。
こうした声はバス会社にも届いているそうですが、戻ることはないのでしょうか？
長電バス株式会社・乗合バス課長 小林修さん：
（利用者の声は）痛いほど届いてますんでね。まあ早く本当に戻したいとは思ってます。
決していい状況ではないんですけども、その分ね、インバウンドのお客さん来ていただいて、あの収入もアップすれば、乗務員さんのね、給与の方にも当てがえるほどの給料になっていけば、また変わってくるのかなとも思います
（めざまし８ ２月12日放送より）
