八代海に浮かぶ鹿児島・長島町の獅子島は「恐竜の島」として知られる。ここにある約1億年前の白亜紀の地層から、東アジアでは最古となるウミガメの化石が見つかったと研究チームが発表した。ウミガメの分布が世界中に広がった過程をたどる上で、重要な資料だという。

北太平洋地域での発見は貴重

獅子島で見つかった化石は長さ約2.5cmのウミガメの首の骨と、横幅4.2cmほどの甲羅の骨の一部。

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会社員の傍ら趣味で化石採集を行い、これまでにも獅子島で首長竜や翼竜の化石を発見している宇都宮聡さんが2020年11月、獅子島の南西部にある約1億年前の白亜紀の地層から発見した。

宇都宮聡さん:
朝の散歩で海岸を歩いているときに、ノジュール(骨化石を含む塊)が浮き上がっているのを見つけて、たまたま割ってみると、その中から骨が出てきた

宇都宮さんが見つけたこの骨の化石、研究チームの東京都市大学・中島保寿准教授による研究の結果、日本を含めた東アジアで最古のウミガメの化石と判明した。これまで発見されている世界最古のウミガメの化石は、約1億3,500万年前のもの。見つかったのは南米。今回のように北太平洋の地域から見つかるのは貴重だという。

研究チームは発見された場所にちなみ、この化石を「サツマムカシウミガメ」と命名した。

宇都宮聡さん:
名前が鹿児島で見つかっているので、「サツマ」と付けるとかっこいい。「やった!」という感じがすごく高い

驚きの報告はこれだけじゃ…ない!?

鹿児島テレビは2023年10月にも宇都宮さんを取材している。その時にはこんな話をしていた。

宇都宮聡さん(2023年10月のコメント):
まさに分析の最中なので、今はここではシークレットなんですが、なかなかすごいものが出ているというのは、鹿児島の皆さんにお伝えしたいですね!

今回の発見が、「すごいもの」だったのか?改めて聞いてみると「そういうこと、そういうことです」との答えが。

「北太平洋にウミガメがいたというのがはっきりした初めてのケースなので、そういう意味でも次の化石を探して、より詳しく生態を探るのが重要になる」と、宇都宮さんはさらなる意欲をみせた。そして…。

宇都宮聡さん:
今これも(すごいものの)一つなんですが、まだいくつか隠し球があってそこは乞うご期待ということでしょうか

ほかにも、何か発見があったのだろうか!? まだまだ獅子島に期待を寄せる宇都宮さん。次の驚きの報告が楽しみだ。

(鹿児島テレビ)

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