鳥取・八頭町出身で大学の硬式野球部に所属する竹内くらら選手が、プロ野球・阪神タイガースが設立した女子チームに入団する。国指定の難病と向き合いながら、女子野球のトップを目指す竹内選手をふるさとで激励した。

阪神タイガースWomenに新星入団

阪神タイガースの球団歌「六甲おろし」とともに入場したのは、岡山県の環太平洋大学女子硬式野球部に所属し、阪神タイガースの女子チーム「阪神タイガースWomen」への入団が決まった竹内くらら選手だ。

「阪神タイガースWomen」は、女子野球の日本一を決める大会で優勝するなど強豪チームの1つである。

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トップレベルでの活躍を誓う竹内選手の激励会が、1月7日、地元鳥取・八頭町で開かれ、くらら選手は「これからは『阪神タイガースWomen』を通して、多くのことを学び、女子日本代表選手となれるよう、努力していきます」と意気込みを語った。

男子選手も顔負け 竹内選手の実力

小学2年生から野球を始めた竹内選手は、中学校では地元の硬式野球クラブ「八頭ボーイズ」に入団した。

ポジションはピッチャーで最速129km/hで遠投も92メートルと強肩を誇り、内野もこなした。男子に混じって、中四国地区の代表にも選ばれた経験を持つ。

指導した八頭ボーイズの大田和之監督も「何より負けん気が強い。男子選手も、くららにかなり助けられた試合がありました」と当時を振り返った。

この日は、“古巣”八頭ボーイズの女子選手とキャッチボール。
竹内選手は軽く肩をならしたが、相手を務めた女子選手は「球が速くて、手が痛かったです」と、トップレベルの先輩の力を肌で感じ、「私も阪神タイガースWomenに入ってみたいと思っていたので、身近にそういう先輩がいるのをまねしたい」と話した。

まさかの難病と診断「復帰したい」  

高校、大学と野球を続け、日本代表を目指すところまで成長した竹内選手だが、ここまでの野球人生は決して順風満帆ではなかった。

高校1年の冬、体中を痛みが襲った。当初は、症状が出るものの、筋肉痛だと思っていたそうだが、受診の結果、自己免疫疾患の一つ「バセドウ病」と国指定の難病「全身性エリトマトーデス」と診断された。

阪神タイガースWomenに入団・竹内選手:
最初の症状としては、ドアノブが回せなくなって、徐々に走ることもできなくなって、野球に関しても考えることができないくらいしんどかったけど、復帰したいという気持ちでいっぱいでした

難病抱えならもプレー「野球は人生」

全身の倦怠感に加え、関節や皮膚、内臓などに様々な症状が複合的に現れるが、病状が安定していれば、運動は特に制限されず、竹内選手は、現在も治療を受けながら、野球を続けている。

難病と向き合いながら、「野球は自分の人生。肩が壊れるまで野球は続けたい」と決意した竹内選手。春からは、チームに所属しながら、スポーツ医学系の大学院に進学。
自らの病気についても学び、治療とスポーツの両立について研究することにしている。

竹内選手は将来の夢に「女子野球選日本代表なることと、生まれ育った鳥取で女子野球発展に貢献すること」と話す。

また、竹内選手は阪神タイガースWomenに入団することについて「(阪神タイガースWomenでは)『NPB』の名前を背負って野球ができること、レベルの高いチームでプレーすることで、技術面だけでなく、人間性も成長できると思うので楽しみです」と語った。

シーズン開幕を前に、竹内選手は1月20日からチームと合流し、兵庫県内で練習をスタート、新たな野球人生が幕を開ける。

(TSKさんいん中央テレビ)

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