12月21日から開幕する全日本フィギュアスケート選手権。
去年この大会で3位表彰台にあがったのが、“令和のマオ”こと、島田麻央(15)だ。
彼女の武器は何と言っても、かねてより、プログラムに組み込んできたトリプルアクセルと4回転ジャンプだ。
そして、12月上旬のJGPファイナルで2連覇を果たした島田は、この大会でトリプルアクセルと4回転ジャンプの同時成功を達成した。
そんな島田は全日本に向けて「ショートでトリプルアクセルを入れたい」と宣言した。
今回は堂々と表彰台にのぼりたい
昨シーズン、世界ジュニアを制した島田。
4回転ジャンプとトリプルアクセルを武器に、ジュニア転向後、一度も負けた事がない。
5歳から始めたスケート。浅田真央さんの大ファンだという母により「マオ」と名付けられ、“令和のマオ”として、その名をとどろかせている。
12歳ではすでに4回転トゥループを成功させていた。
トリプルアクセルや4回転トゥループに挑戦する理由も「憧れの浅田真央さんがトリプルアクセルを挑戦し続けていたので、自分もトリプルアクセルと4回転を絶対に挑戦し続けたい」という思いがあるからだ。

去年、ジュニア1年目で全日本に出場。
大きな期待を背に、トリプルアクセルと4回転ジャンプに挑戦するも、惜しくも成功とはならなかった。
ほろ苦いデビューではあったが、3位表彰台にあがった。

今シーズン前は「去年は緊張しすぎて失敗してしまったので、今回はもっと堂々と滑ることができるように、去年はたまたま入ることができた3位だったんですけど、今回は堂々と3位、表彰台にのぼりたい」と意気込んでいた。
今シーズンも絶好調の島田は、出場した全試合で優勝している。
JGPシリーズでも連勝し、異次元の強さを誇る彼女だが、今季は試練が訪れた。

3連覇がかかった11月の全日本ジュニアで、ショートでまさかのミスで4位スタートに。これまで1位以外を経験したことがない“絶対女王”は、この日、珍しく涙を見せた。
それでもフリーは、トリプルアクセルを決め、逆転優勝を果たし、3連覇を成し遂げた。

その1週間後、当時のことを聞くと「悔しいことはあったんですけど、全日本ジュニアほど悔しい思いが強かった試合はあまりなかったので、悔しい思いを晴らしたいなと思って。
良かったときより、悔しかったときの方が練習を頑張れると思うので、良い方向に捉えて、次はああいった失敗がないようにしたい」と気持ちを切り替えていた。
島田の“脚力”に注目
そんな島田だが、まだ中学3年生の15歳だ。
今学期の目標は「提出物をしっかり出せるように」と、まだあどけなさが残る。
全日本のメインビジュアルを手掛けた世界的アーティスト・田村大さんは、島田のイラストも制作。
「かなりお若い選手ですが、競技が始まると若さよりも大人っぽさを感じさせる。幼さが切り離された強い方だなと思いました」

島田のイラストを描くにあたって、田村さんは肌色の濃淡を使い分けて、筋肉を表現したという。
「線では筋肉は書いていないんですけど、濃淡で表面からわかる筋肉量を意識して描きました」
その脚力から生み出されるトリプルアクセルと4回転トゥループを組み込んだ、高難度プログラムに島田は挑戦し続けてきた。
ショートでもトリプルアクセルを入れたい
そして、ついに12月上旬のJGPファイナルでついにトリプルアクセルと4回転ジャンプを同時成功させ、日本女子初の快挙を成し遂げた。
挑み続けた大技2本の同時成功。
トリプルアクセルはGOE(出来栄え点)1.60点を獲得し、4回転トゥループも2.17点の出来栄え点を獲得した。
「今回の大会は悔しいこともうれしいことも経験できた試合だったと思います。一番目標にしていた2本が成功できたので、うれしく帰ってくることができました」と帰国後、喜びを明かす島田。

目前に迫る全日本選手権。
去年の全日本では2本の大技ともに失敗してしまったが、今年は「初めてショートでトリプルアクセルを入れられるようにしたい」と宣言。
ジュニア女子のルールでは、ショートプログラムでトリプルアクセルは入れることができない。
もし、島田がショートでトリプルアクセルを入れ、成功させれば、今シーズンの世界最高得点がこの全日本で出てくる可能性もある。
さらにノーミスで終えれば“絶対女王”の坂本花織の背中も見えてくる。
強い気持ちで挑む全日本に島田は「ショートとフリー、両方アクセルをおりて、フリーでは4回転もおりられるように頑張りたい」と意気込んだ。
全日本までの道の詳しい概要はフジスケでhttps://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/index.html
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