12月7日から10日にかけて、中国・北京で開催されたジュニアグランプリファイナル(以下、JGPファイナル)。

男子は中田璃士が優勝。女子は島田麻央が2連覇、上薗恋奈が3位、中井亜美が5位だった。

3位表彰台の上薗はジュニア1年目で驚異の演技を見せる。

SPでは出場者6人のうち、唯一ノーミス演技で3位につけると、FSでもミスのない演技を披露。ジュニアGPファイナル初出場にして堂々の3位表彰台に輝いた。

ジュニア1年目でJGPファイナルに出場した上薗恋奈(うえぞの・れな、13)は、ここまで快進撃を見せている。

スケート大国から“新星”登場

上薗は長い手足を生かした表現力とスピードに加えて、中学1年生とは思えない、大人びたプログラムを滑りこなす実力の持ち主だ。

2022年のノービスAで優勝した上薗
2022年のノービスAで優勝した上薗
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2022年のノービスAで優勝し、今季ジュニアデビューを果たした上薗は、JGPシリーズ2戦に出場。

9月のJGPシリーズ第6戦ポーランド大会で初優勝した。

11月の全日本ジュニアで上薗は3位に
11月の全日本ジュニアで上薗は3位に

11月の全日本ジュニアでも勝ち上がり、3連覇を果たした島田麻央、櫛田育良に次ぐ3位表彰台にのぼり、全日本選手権行きの切符を初めてつかんだ。

そんな上薗はスケート大国・愛知県出身。フィギュアスケートをはじめたのは、浅田真央さんの演技を見たことがきっかけだったという。

きっかけは「浅田真央」にあこがれて

7歳からフィギュアスケートをはじめた上薗。

そのきっかけを「名古屋フェスティバルを見に行って、浅田真央さんに手を振ってもらったことをきっかけに始めました」と振り返る。

フィギュアスケートをはじめたきっかけを語る上薗
フィギュアスケートをはじめたきっかけを語る上薗

「やっぱりすごくきれいなステップだったり、スケーティングだったり、あとトリプルアクセルがやっぱりすごいなって。そういうところを勉強しながら、頑張っていきたいです」

フィギュアスケートクラブ「LYS」に所属する上薗は、現在浅田さんや宇野昌磨らを育てた樋口美穂子コーチの指導を受けている。

演技前に樋口コーチとグータッチをする上薗(12月、愛知フィギュア)
演技前に樋口コーチとグータッチをする上薗(12月、愛知フィギュア)

憧れの浅田さんの代名詞、トリプルアクセルにも、習得はまだだが、上薗は挑戦しているという。

そのトリプルアクセルについては「最近少し良くなっているんですけど、やっぱりまだまだ練習が必要なので上手な選手の動画を見ながらやっていきたい」と語る。

12月上旬の愛知フィギュアで上薗は2位に
12月上旬の愛知フィギュアで上薗は2位に

今シーズンは、ジュニア1年目ということもあり、海外の試合も経験した。

「今年はジュニアグランプリを目標に練習してきて、2戦もらえて、いい結果が出せたのはすごく嬉しい。ファイナルに行けることもいい経験になるので、またそのチャンスをつかめるように頑張りたい」

ジュニア1年目で手にした全日本出場

振り返ると、2022年の全日本選手権はジュニア勢が驚異的な存在だった。

3位表彰台の島田をはじめ、中井亜美、千葉百音らトップ10にジュニア勢が5人も入った。

この年の全日本後に行われたメダリスト・オン・アイスに、上薗はノービスチャンピオンとして出演した。

全日本後に行われるメダリスト・オン・アイスに出演した上薗(2022年)
全日本後に行われるメダリスト・オン・アイスに出演した上薗(2022年)

そして、11月に行われた激戦必至の全日本ジュニアで上薗は堂々の3位入賞。

初めての全日本推薦出場を決めた。

11月の全日本ジュニアで3位に入り全日本出場を決めた
11月の全日本ジュニアで3位に入り全日本出場を決めた

過去に2回ほど現地で全日本を見たことがあるようで、中でも印象に残っていることが「羽生(結弦)さんの4回転アクセルを挑戦する姿はすごく格好良かったです」と話す。

メダリスト・オン・アイスで笑顔を見せる上薗(2022年)
メダリスト・オン・アイスで笑顔を見せる上薗(2022年)

自身初となる全日本への出場を上薗は「すごく楽しみですし、あの大きな舞台で自分の魅力を最大限に発揮できるようにもっと練習したいと思います」と意気込んだ。

上薗は「まずは自分の納得いく演技ができるように、先生たちについていきながら練習を頑張っていくことが一番です」と全日本への目標を語った。

全日本までの道の詳しい概要はフジスケでhttps://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/index.html
FODで全選手・全演技LIVE配信

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班