SNSなどでは、とかく相手を言い負かしたり論破したりする態度でマウントをとれば「勝ち」とされる傾向が強い。

昨今では、そんな姿勢をマネする子どもたちが増え、周囲の大人を困らせているともいう。

累計5万部のベストセラー『頭のいい説明は型で決まる』の著者で、企業研修講師、元駿台予備学校人気講師の犬塚壮志さんが、子どもに身につけさせたい本当の対話や交渉のスキルについて解説する。

『マンガ 頭のいい子が使う 伝わる!説明力』(扶桑社)から、一部抜粋・再編集して紹介していく。

自分が優位に立とうとするコミュニケーションに要注意

「それってあなたの感想ですよね?」
「はい、論破~!」

昨今、これらのフレーズが、小学生の間でブームになっているそうです。

学校の友達同士だけでなく、先生や親に対しても似たような言葉を使って揚げ足をとる子どもが増えているといいます。

本来、コミュニケーションとは相手と良好な関係性を築き、その関係性を維持・発展させることだと私は考えています。

見せかけの論破やマウント取りをして自分が優位に立とうとする姿勢は、話し手自身の価値や印象を下げることになりかねません。

人間関係やコミュニケーション力を形成する大事な時期の子どもたちにとって、本当に必要なのは、自分の言いたいことをロジカルに、わかりやすく相手に伝えるためのノウハウではないでしょうか。

私は、大学受験の予備校講師という仕事を通して生徒たちと向き合いながら、伝え方や説明のスキルを鍛え上げてきました。そうして学んだノウハウから、即効性のある40パターンの“説明の型”をピックアップして、マンガ形式にしたものが本書です。

ここでは、その中から例として「ぬき出しの型」「メリット・ファーストの型」「決定者サポートの型」の3つを紹介したいと思います。