2024年春の熊本県知事選挙に出馬するのかしないのか…。去就が注目された蒲島知事が一つの判断を示した。
蒲島知事は「県政の良き流れを新たなリーダーに託すには今が最も適切な時期」として、出馬しない考えを表明した。

5期目の去就問われた蒲島熊本県知事

12月6日午前7時50分、公舎を出る知事の姿を捉えようと報道各社が集まっていた。

待ち構えた報道陣に挨拶する蒲島知事
待ち構えた報道陣に挨拶する蒲島知事
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蒲島熊本知事は、記者からの「決意は固まりましたか」という問いに、「議会で会いましょう」と答え、公用車に乗り込み熊本県庁に向かった。

熊本県議会の議会棟に姿を現した蒲島知事は引き締まった表情で、どこか決意に満ちた様子だった。

議会では、自民党熊本県連会長の前川收議員が去就を問う一般質問を行った。

前川收議員:
次期知事選への決意についてお尋ねします。いよいよ来年(2024年)4月15日は4期目の任期満了を迎えます。多くの県民は、次の4年間も蒲島県政を求めていると思っております。知事5期目に向けた決意のほどをお聞かせください

蒲島知事:
次期知事選に向けた私の決断についてお答えします。私が自分自身の進退を判断する基準は、県政の流れが私が最大の目標とする、県民総幸福量の最大化に向けて確かな歩みを進めているかという一点にあります

全国最高齢の知事「人の命には限りある」

蒲島知事:
顧みれば4期目の4年間、熊本は熊本地震、新型コロナウイルス感染症、令和2年7月豪雨災害のトリプルパンチとの闘いでした。しかし“チーム熊本”で困難に立ち向かう中で、令和3年11月にはTSMCの熊本進出という、それまで誰もが予想できなかったビッグチャンスが訪れました

蒲島知事:
このように政治というものは、逆境と将来の夢の追求が重なり合いながら未来に向けて続いていきます。しかし、人には命の限りがあります。そして、この流れの中で将来に向けた県政のリーダシップの担い手を考えたときに、仮に私が新たなリーダーに県政を託すとすれば、今が最も適切な時期ではないかという思いに至りました。熟慮に熟慮を重ねた上、この思いから私は、与えられた今の任期を全うした上で次の知事選には出馬しないことを決断いたしました

蒲島知事は時折、声を詰まらせる場面もあった。

蒲島知事:
そして今の良き流れをさらに加速させ50年、100年先の本県の発展に確実につなげる覚悟をもって、残る任期を全力で努めてまいります。皆さん本当にありがとうございました

辞めることが県政発展の妨げになるのでは

本会議を終えた蒲島知事は、午後から会見を開き、不出馬を表明した心境を語った。

蒲島知事:
私の最大の目標は、県民幸福量の最大化。辞めることで発展の妨げになるのではと。一番今回の決断で気を付けた。私も県民を尊敬しながら政治をやってきたことがうれしいし、県民の方や議会の方、国も相互信頼の下で見守っていただいた。それが今のこれだけの長い間、知事として政策、県政を指揮することができたと思うとうれしかった。

蒲島知事:
(前川県議から)4期目の最後で、こうして76歳にもなった知事を、普通は考えられない支持率だと言っていただいたのがうれしいなと。これからは、さらに頑張って残りの4カ月で課題の解決に最大限努力したい

ーー有能な人物に県政を託したいと発言。後継指名は?

蒲島知事:
私は、後継指名という意味で言ったわけではなく、みんなが選び、みんなが候補者にし、最終的にはその中から有権者が選ぶ。熊本の有権者はそれをする、それを求めている

(テレビ熊本)

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