熊本県は、JR肥薩線の復旧費について11月24日の再生協議会で25億円を超える地元負担分を県が全額負担する案を示し、地元の市町村が了承した。
県は今後、「一枚岩でJRとの交渉を進めていく」としている。
復旧25億円超を県が全額負担で合意
芦北町・竹﨑一成町長:
本当にビックリするような県からの提案だった。県には相当な覚悟があったと思う。

2020年7月の豪雨で甚大な被害を受けた肥薩線の復旧費については、JR九州過去最大の約235億円に上るとみられていたが、国の事業間連携により76億円まで圧縮。
熊本県は、線路などのインフラを自治体が維持管理を行う上下分離方式を導入することで、国・自治体・JR九州が3分の1ずつ負担する案を検討している。

これまで県は約25億3,000万円の自治体負担分を県と地元12市町村で負担することを想定。
また、上下分離方式の導入により、市町村が負担する年間の維持費も約1億2,000万円かかるとされ、地元の市町村から「負担が大きい」などの声が上がっていた。

「一枚岩となって交渉を進めたい」
県によると、11月24日の協議会で復旧費については、地元負担分25億3,000万円を県が全額負担する案を提示。また、年間の維持費についても県の負担額を増やし、市町村の負担を年間5,000万円まで圧縮する案を示したということだ。

熊本県・田嶋徹副知事:
最終的に県の提案した費用負担を了承していただき、方向性を共有した。

芦北町竹﨑一成町長:
きょうは人吉球磨八代芦北が一枚岩になるポイントの日だった。

県は11月24日の協議会で「地元の理解を得た」と話し、「一枚岩となってJRとの交渉を進めたい」とコメントした。
国とJR九州の3者で行う検討会議を年内にも開き、新しい観光列車の導入など復旧後の持続可能性についても議論を進めたい考えだ。
(テレビ熊本)