長野県軽井沢町で行われている、捕獲したクマに人間の怖さなどを覚えさせてから山へ返す、「学習放獣」。しかし、2023年のクマの出没多発を受けて、その「学習放獣」を続けるべきか、長野県の対策会議で議論になっている。
人の怖さを教える学習放獣
職員が「放したよ」と、捕獲したクマを森へ返す。
この記事の画像(11枚)そして、「ほう、ほう、ほう、ほう、いけ!いけ!いけ!」と、棒でクマを追い立てた。
一目散に逃げていく子グマにあるのは、“人間への恐怖”だ。
この恐怖心を、クマ対策に利用している場所が長野県軽井沢町。山を歩くのは、クマを追い払うベアドッグ。ここでは、NPO法人が中心となり、「学習放獣」が行われている。
「学習放獣」とは、捕獲したクマに人間の怖さなどを覚えさせてから、山へ返す取り組みだ。
捕獲したクマのおりを棒で叩いたり、クマよけスプレーを吹き付ける事で、恐怖心を芽生えさせる。
「学習放獣」が行われている軽井沢では、人の生活する場所での人身被害が、2010年以降、ゼロになっている。
クマが現れすぎて岐路に
しかし、2023年はクマが多すぎることで、課題が浮かび上がってきた。
県は、人や農作物に被害を与えなければ、原則、放獣する方針だが、対策会議でも「学習放獣」に関して議題が挙がっていた。
長野県の対策会議は「人里に出でてきたクマはおいしいものを食べ、味を覚えてしまう。ちょっとお仕置きして山に戻しても、また出てくるのではないか」と話している。
全国的にクマの出現が住民の不安をあおる中、「学習放獣」について、難しい判断がせまられている。
(「イット!」 11月24日放送より)
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