新潟県内でもクマによる人身被害が相次いでいる。11月6日早朝、新潟県新発田市で40代の男性がクマに襲われ、重傷を負った。男性は、罠にかかったクマを見に行った際、母グマと思われるクマに襲われたとみられている。

罠にかかった子グマ 近くに母グマか…

11月6日午前6時前、新発田市滝沢で「息子が自宅裏手に設置している罠を見に行って、クマに襲われた」と消防に通報があった。

子グマ2頭が入っていた檻
子グマ2頭が入っていた檻
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襲われた40代の男性は、近くを徘徊していたとみられるクマに襲われ、口の中にクマの爪が入るなど、顔と背中を引っかかれて重傷を負った。

近くに住む人は、「今季、あまり目撃はないと思う。怖い」と話した。

檻の近くにはクマの足跡のようなものも
檻の近くにはクマの足跡のようなものも

高さが1m、奥行き2mほどある大きな檻には2頭の子グマがかかっていたという。男性を襲ったのは、母グマの可能性があるとみられている。

罠に子グマは「最も注意すべき場面」

クマの生態に詳しい長岡技術科学大学の山本麻希准教授は、子グマが罠にかかったときは、最も注意すべき場面だと指摘する。「今回、子グマがかかっていたということで、一番あるケースだと思う。子グマの周りには必ず親グマがいる。しかも、子グマを守るときの母グマは最も攻撃的な状態になる。見回りのときも、子グマかかったケースは本当に危ないので、複数人で対処しないと危険なケースかなと思う」

長岡技術科学大学 山本麻希 准教授
長岡技術科学大学 山本麻希 准教授

また、罠にかかったクマが大人のクマであったとしても、近くに仲間がいる恐れがあることから、檻の確認は、遠くから双眼鏡などで行うことが望ましいという。

県内では、11月3日にも長岡市で60代女性がクマに襲われ、ケガをするなど、今年度の人身被害が8件・9人(11月6日現在)に上っている。

県はクマ出没特別警報を出し、クマの活動が活発な早朝や夕方の入山を避けるなど警戒を呼びかけている。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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