静岡県島田市の解体前の旧庁舎の活用法をめぐり、賛否の声があがっている。市は「サバイバルゲーム」を許可し100人が参加予定だが、議員などから「戦争をイメージさせる」として中止を求める要望書が出された。市民からは賛否両論の声が上がるが、市は開催の方針だ。

市長室も使って“要人救出大作戦”

サバイバルゲーム運営団体のHPより
サバイバルゲーム運営団体のHPより
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サバイバルゲームは、エアガンを使って撃ち合いをする遊びで、チームに分かれ陣地を奪うことなどを競う。
島田市役所の旧庁舎は2023年11月27日から解体される予定だが、サバイバルゲームを楽しむ団体から提案があり、市は11月26日にサバイバルゲームの会場として使うことを許可した。旧市長室もサバイバルゲームの会場となる。

運営団体のHPより
運営団体のHPより

運営団体のホームページによると、イベントの名前は「島田市役所旧庁舎ファイナルゲーム 要人救出大作戦」だ。11月26日の午前9時から午後4時まで開催され、参加費は8000円だ。

運営団体のHPより
運営団体のHPより

既に100人の定員に達し、「満員御礼 定員数に達した為、ご予約を終了いたしました」と記されている。
ゲームで使うのは0.2~0.25gのBB弾で、当日の注意事項では「駐車場から旧庁舎までは徒歩で移動。その際 迷彩服は着用したままでの移動ですが、エアガンはバッグやガンケースに入れ、エアガンが露出しないようお持ちください」と、近隣住民に迷惑がかからないように呼びかけている。

「戦争をイメージさせる」中止要請

解体予定の島田市役所 旧庁舎
解体予定の島田市役所 旧庁舎

しかし旧庁舎を貸し出す島田市に対し、議員や市民グループなどから「戦争をイメージさせる」として中止を求める要望書があわせて3件提出された。

サバイバルゲーム中止を求める要望書
サバイバルゲーム中止を求める要望書

要望書を提出した森伸一議員は「ガザやウクライナで戦闘が行われている時に、それを連想させるようなものを庁舎の解体イベントとしてやっていいものかと非常に疑問に思いました。市民みんなが(解体イベントを)よかったというような送り方をしていただきたい。今の方法(サバイバルゲーム)はそうはならなくて、後々に大きな悔いを残す形になると思うからやめてもらいたい」と訴える。

貸出金は数万円 市民は賛否

市民の意見は様々だ。「他のイベントがいい」という人もいれば、「ゲームをいろいろやってきている人たちなので、あまりそれ(解体イベント)を戦争に結び付けることはしないのでは」、「個人的には問題ないかなと思います。使われなくなった建物の有効活用とも考えられるし、メリットとデメリットがある」と容認する人たちもいる。

解体予定の島田市役所 旧庁舎
解体予定の島田市役所 旧庁舎

旧庁舎の貸出金は数万円で、島田市は水・電気・ガスが止まった中でも資産を有効活用できることから、「適正」と判断したという。

市長は参加見合わせもイベントは開催

島田市の染谷市長は当初はサバイバルゲームへの参加を予定していたものの、これは取りやめる。ただイベント自体は中止しない方針だ。

島田市・染谷絹代市長
島田市・染谷絹代市長

島田市・染谷絹代市長:
私はこれ以上誤解を招くようなことはしたくないと思いますので、当日の私の参加は見合わせたい。(イベントは)予定通り開催させていただきたい、開催することを認めたいと思っております

サバイバルゲームの運営会社は「安全な遊びだということをわかってほしい」と理解を求めている。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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