鹿児島・薩摩川内市で偽の1万円札を偽造するなどした疑いで11月13日、男2人が逮捕・送検された。被害に遭ったタクシー会社が取材に応じ、偽札は「薄い紙2枚を貼り合わせて作られていた」と話した。

「誰が見ても偽札と分かる」

逮捕・送検されたのは、飲食業・赤岩徳良容疑者(64)と、会社員・戸田伸明容疑者(52)だ。警察によると赤岩容疑者は、自宅でカラープリンターなどを使って偽の1万円札を作った疑いが、戸田容疑者は10月21日、薩摩川内市でタクシー運賃の支払いに偽の1万円札を使用した疑いが持たれている。

赤岩徳良容疑者(左)と戸田伸明容疑者(右)
赤岩徳良容疑者(左)と戸田伸明容疑者(右)
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警察は2人の認否を明らかにしていないが、2人は知人同士で、警察はいずれかの関係先から偽札とみられるものを複数枚押収したということだ。

赤岩容疑者が営む飲食店
赤岩容疑者が営む飲食店

赤岩容疑者は、薩摩川内市の住宅街で飲食店を営んでいて、近所の住民は「この辺で付き合いのある人はいないと思う。そんなことをしても、すぐばれるのに」、「お金に困っているような話は聞いたことない」などと語る。

また、“戸田容疑者の同僚”と話す男性は、鹿児島テレビの取材に「戸田容疑者が数カ月前に職場で偽札を見せたことがあった」と証言した。この同僚は「裏は白かった。おまけに大きさも小さかった。誰が見ても偽札と分かる」と話している。

薄い紙2枚が貼り合わせられていた

被害に遭ったタクシー会社が偽札と本物の1万円札を比べるため撮影した写真をよく見てみると、本物と偽札で大きさや色合いが違うように見える。

偽札(上)と本物の1万円札(下) 提供:第一交通
偽札(上)と本物の1万円札(下) 提供:第一交通

ホログラムも、本物は光沢があるのに対し、偽札は光沢がない。

被害に遭ったタクシー会社によると、戸田容疑者は自宅の前でタクシーを降りる際に、偽の1万円札を使って支払いをしたという。

60代のタクシー運転手は「車内が薄暗かったのでよく見えなかった」と話していて、その後、営業所に戻り、明るい場所で売り上げの確認をしていて、偽札に気づいたという。

偽札と本物を見比べたタクシー会社の所長は…。

被害に遭ったタクシー会社の所長:
触った感じが違いましたね。印刷そのものが全体的に濃い感じ。大きさは並べたときにだいぶ違うなと思った。使い込んでいる感じがした。しわも入って余計に分からなかったかも、と思った。パリッとしていたらもっと分かったと思う。暗がりでもらったら分からないと思う

使用された偽の1万円札は、印刷された薄い紙2枚が貼り合わせられていて、角の付近は2枚に分かれていたという。所長は、犯人に対しては「まじめにやってほしい」と話した。

市内のタクシー会社に注意喚起

事件を受け、この会社では薩摩川内市内の他のタクシー会社に、偽札に注意するよう注意喚起を行っている。

偽札を使う行為も、紙幣をカラープリンターなどでコピーする行為も、無期懲役または3年以上の懲役が課せられる犯罪行為だ。絶対にやめてもらいたい。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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