2022年12月、長野県伊那市で当時85歳の女性が殺害された事件。県警の捜査本部は11月9日、女性の通帳を使って現金を引き出そうとした詐欺未遂の罪に問われている男を、強盗殺人の疑いで再逮捕した。
事件発覚から11カ月…
2022年12月3日、伊那市西箕輪の住宅で一人暮らしの原貴努代さん当時85歳がベッドの上で死亡しているのが見つかった。
死因は首を絞められたことによる窒息死で、部屋に物色された跡もあったことから、警察は殺人事件と断定。
捜査本部を設置し調べてきた。
この記事の画像(8枚)事件発覚から11カ月ー。
県警の捜査本部は9日、会見を開き、強盗殺人の疑いで伊那市西箕輪の整体師・橋爪亮太容疑者28歳を再逮捕したと発表した。
調べによると、橋爪容疑者は2022年12月1日の午後6時19分から2日の午後0時32分までの間に、殺意を持って原さんの首を絞めて殺害し、原さんの通帳と印鑑などを奪った疑いがもたれている。
認否については「捜査に支障がある」として、明らかにしていない。
防犯カメラの映像などから犯行特定
橋爪容疑者は原さんの遺体が見つかる前日に、駒ヶ根市の金融機関で偽造した委任状と原さんの通帳を使って自分の口座に現金350万円を振り込ませようとしたとして詐欺未遂の罪で起訴されていて現在、公判中だった。
捜査本部は橋爪容疑者が原さん殺害についても事情を知っているとみて慎重に捜査を進めていた。
関係者への聞き込みや防犯カメラの映像などから犯行を特定したとしている。
被害女性の自宅のリフォーム担当
同級生などによると、橋爪容疑者は現場近くの小中学校に通い伊那市内の高校に進学。
2019年ごろから地元の農機具販売やリフォームを請け負う会社で営業を担当していた。
原さんの自宅のリフォームも担当していたという。
容疑者の逮捕に近所の住民は「原さんの家の庭の黄色いテープ見るたびに心が痛んだ。ホッとしました。1年近くなるもので」と、安堵の表情を浮かべる一方で、近くで起きた凶悪犯罪に複雑な心境だという。
捜査本部は経緯や動機などを詳しく調べる方針だ。
事件の経過
改めて事件の経過をまとめた。
橋爪容疑者は2019年ごろに、原さんの住宅のリフォームの担当をしていたことが分かっていて、顔見知りだったという。
原さんは2022年12月1日の夕方から2日にかけ、死亡したとみられる。
橋爪容疑者は2日に原さんの通帳を持って伊那市と駒ヶ根市の金融機関に行き「孫」を名乗って現金を引き出そうとしていた。
そして翌日の3日、自宅で死亡している原さんが見つかった。
その後、橋爪容疑者は今年1月に詐欺未遂の疑いで逮捕。
そして11月9日、強盗殺人の疑いで再逮捕された。
警察は詳しい経緯と動機について調べを進めている。
(長野放送)