「2703人」という数字。これは昨年度、大分県内の小中学校の不登校の子供の数で、過去最多となった。子供たちに学ぶ場所の選択肢を与えることがますます重要となる中での取り組みを取材した。

学びの場「フリースクール」

一見、普通の住宅のように見える建物は大分市にあるフリースクール。

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教室では普通の学校と異なり、先生が教えるのではなく子供たちがそれぞれ課題に取り組んでいる。

ここは彼らにとっての学びの場、フリースクール「ハートフルウェーブ」。
様々な事情で学校に通えない子供たちが勉強に励んでいる。

スクールの代表は子供たちが自分にあった学びの場所を選べることが重要だと考えている。
ハートフルウェーブの佐伯和可子代表は「学校に復帰することを目的にするんじゃなくて、社会生活に復帰していく。選択肢の幅が増えていくのが一番いいのかな」と話す。

新型コロナも影響か…不登校増加

大分県教委によると、県内の不登校の小中学生の人数は年々増加していて、昨年度は過去最多の2703人に。
新型コロナの影響で生活リズムが乱れたことなどが要因として考えられているが、事情は子供によって様々で幅広い支援が求められている。

「不登校特例校」の新設検討

こうした中、玖珠町では新たな対応も。
町でも不登校の課題を抱えていて、特に中学生は10人に1人が不登校と、全国平均を上回っている。

そこで検討しているのが、不登校の子供たちに合わせた柔軟な教育課程を組むことができる「不登校特例校」の新設。
来年4月に開校する方向で検討を進めていて、実現すれば九州・沖縄の公立校として初めてとなる。
10月17日に開かれた検討会では「不登校特例校」をことし4月に開設した宮城県白石市の教育長とオンラインで意見交換。

宮城・白石市教育委員会の半沢芳典教育長は「この学校も学びの選択肢の一つ。居場所の一つ」と話す。

白石市の特例校では登校時間を遅くしたり、授業中でも別室で気分転換できるなど、子供たちが自分のペースで学べる環境が整えられているという。

玖珠町教育委員会の梶原敏明教育長は「今までは学校はこうあるべきだと学校の都合で子供たちを型にはめていた。今の子どもは今助ける。子供たちが本当に社会で活躍するためには今しかない」と話していた。

増え続ける不登校の子供たちに寄り添った教育を。新しい支援の動きが広がりつつある。

(テレビ大分)

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