バレーボールのFIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023は男子大会4日目を終えて、日本代表(世界ランキング4位・10月5日時点)は3勝1敗。

5戦目となる6日はヨーロッパの強豪セルビア(同9位)と対戦する。

4日トルコ戦の勝利で世界ランキング4位に浮上した日本
4日トルコ戦の勝利で世界ランキング4位に浮上した日本
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紛争と独立という複雑な歴史を持つセルビアは、ユーゴスラビア時代に、バレーボール男子代表チームが2000年シドニーオリンピックで金メダルを獲得。戦火の渦中にいた国民へ差す光明となった。

プールBで3勝1敗と日本と並ぶセルビア(写真:©️FIVB)
プールBで3勝1敗と日本と並ぶセルビア(写真:©️FIVB)

その頃に競技を始めた選手たちがやがてシニア代表となり、ヨーロッパ選手権では2017年大会で第3位、2019年大会で悲願の優勝に輝く。そのときのMVPが現在はキャプテンを務めるウロシュ・コバチェビッチ(背番号2)である。

タレント揃いの強豪 セルビア

チームの強みは何とっても、コバチェビッチを筆頭にタレントがそろっていること。多くの選手がイタリア・セリエAやポーランド・プラスリーガといった強豪リーグでプレーしている。

ポドラスチャニン(背番号18)とトドロビッチ(同21)(写真:©️FIVB)
ポドラスチャニン(背番号18)とトドロビッチ(同21)(写真:©️FIVB)

ミドルブロッカーのマルコ・ポドラスチャニン(背番号18)はセリエAでの通算ブロックポイント決定本数が1000を超える鉄腕であり、オポジットのアレクサンダル・アタナシエビッチ(背番号14)は、同じくセリエAで3季連続リーグ得点王に輝いた実績を持つ。

セリエAで得点王の実績 アタナシエビッチ(写真:©️FIVB)
セリエAで得点王の実績 アタナシエビッチ(写真:©️FIVB)

だが、前述の選手たちのほか、エースのマルコ・イボビッチ(背番号8)や、ミドルブロッカーのペータル・クルスマノビッチ(背番号7)たちはいずれも30歳を超えており、2018年世界選手権(第4位)や2019年の頃に比べると、そのパフォーマンスに落日を感じずにはいられない。

攻撃面で確実にサイドアウトがとれるスレチコ・リシナツが、ケガのため来日していないのも痛手だ。

司令塔・トドロビッチ(背番号21)とアタナシエビッチ(同14)
司令塔・トドロビッチ(背番号21)とアタナシエビッチ(同14)

司令塔を務めるヴク・トドロビッチ(背番号21)やアウトサイドヒッターのミラン・クユンジッチ(背番号10)ら20代半ばの面々が台頭しているが…。今大会でも初戦でトルコに敗れるなど、盤石かと言われれば疑問が残る。

パリ切符を 負けられない日本

対する日本は第3戦のチュニジア、第4戦のトルコを相手にストレート勝ちを収めた。強力な両サイドアタッカーをそろえるトルコには、サーブ&ブロックとフロアディフェンスの関係性を構築して対応し、そこから西田有志が最多15得点、石川祐希が14得点と続いた。

多彩なパスを出す 関田誠大 と 剛腕で応える 西田有志
多彩なパスを出す 関田誠大 と 剛腕で応える 西田有志

第2戦を落としたショックを振り払い、本来の戦い方を取り戻した日本。セルビアを相手にしても、勝機があると見て間違いない。

文/坂口功将(月刊バレーボール編集部)

今大会の男子日本代表はプールBに入り、世界ランキング2位のアメリカや、同7位のスロベニア、さらには同9位のセルビアと同組。パリオリンピック出場権獲得のためには、出場8カ国の総当たり戦で、2位以内に入ることが条件となっている。

コンディションも上がってきた 石川祐希
コンディションも上がってきた 石川祐希

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
プールB順位表(開催国:日本)10月4日時点
1位:アメリカ 4勝0敗
2位:スロベニア 4勝0敗
3位:セルビア 3勝1敗
4位:日本 3勝1敗
5位:トルコ 1勝3敗
6位:エジプト 1勝3敗
7位:フィンランド 0勝4敗
8位:チュニジア 0勝4敗
※上位2カ国がパリオリンピック出場権を獲得する

FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
日本戦全戦をフジテレビ系独占中継!
男子大会:9月30日(土)-10月8日(日)
東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。