厚生労働省が公表した2022年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳。
過去30年余りで男女ともに5歳以上延伸する中、素敵な歳の重ね方をしている静岡県内のお年寄りを紹介する。

週2回 踊りの稽古 山歩きで鍛えた足腰

暑さが残る8月28日、静岡県富士市の公民館に集まる女性たち。会場で赤い法被を身にまとうのは富士市民踊会のメンバーだ。
この日は秋祭りの練習会が開かれ、地元の民謡「富士ばやし」の稽古に励んでいた。

富士市民謡会の練習
富士市民謡会の練習
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(Q.年齢はおいくつですか?)
「82歳です」「83歳です」「84歳です」「88歳です」
80人いるメンバーの年齢は主に70代だが、80代の人たちも元気に活動している。

そして最高齢は平野春子さん、90歳。体を動かすことが大好きで、この日もしっかりとした動きで踊りを楽しんでいた。

平野春子さん
平野春子さん

平野春子さん:
踊りはもう50年くらいやっている。体操というか運動です。2時間位お稽古やるけど、家で一人でやっても面白くないし

踊り続けて50年。今でも週2回の稽古は休まず参加し、コロナの制限がなくなった2023年は、地域のお祭りにも積極的に参加するとても元気なお年寄りだ。

若いころ登山する平野さん
若いころ登山する平野さん

平野さんは「若い頃、百名山も80(カ所)くらい歩いた。それがきっと足を丈夫にしていると思う」と言う。
丈夫な足腰が元気の源。これまで、南アルプスや富士山に登り、今でも身近な山でハイキングを楽しむそうだ。

肉が大好き 花壇の草むしりも

そして、もう1つ若い頃から続けているのが花の会の活動だ。平野さんは現在、市内3つの花壇を受け持ち、週に1度は草むしりに精を出している。
腰をかがめながらの作業はつらくないか?と訊ねたら、平野さんは「人間って「痛い、痛い」と言えば痛いが、我慢していれば、それで我慢できるからそんなに苦にはならない。」と笑った。

平野さんの食事
平野さんの食事

食生活も長生きの秘訣と話す平野さん。大好きな肉とともに毎日350gの野菜を欠かさず、今でも手作りして食事を楽しんでいるそうだ。

「ダンシングヒーロー」もノリノリで

「ダンシングヒーロー」を踊る平野さん
「ダンシングヒーロー」を踊る平野さん

この日の稽古では民謡だけでなく、若い人にも人気の「ダンシングヒーロー」に合せた踊りを練習。輪になって曲に合わせ、リズムよく踊っていた。平野さん、息が切れることなく、90歳でこの動き。

民踊会の仲間たちも平野さんのパワーに感心し、刺激を受けているようだ。

平野さんと民踊会の仲間
平野さんと民踊会の仲間

民踊会メンバー:
(平野さんは)よく(踊りを)覚えているし、うらやましいくらい足腰もしっかりしている。がんばっている姿を見ていると力がわいてくる

平野さんも「年寄り扱いではなくて、同じような気持ちで扱ってくれるので、本当にうれしい。みなさんがいろいろ助けてくれるので、感謝している。100歳までがんばりたい」と話し、仲間の気遣いに元気をもらっている様子だ。

丈夫な足腰とバランスの良い食事、そして、何より仲間との楽しい時間が平野さんの元気の源になっている。

民踊会の皆さん
民踊会の皆さん

平野さんは30年ほど前に交通事故にあい、今でも痛みがあるそうだが、何事にも前向きな気持ちで取り組むことで痛みも吹き飛ばしているようだ。そして、いまは10月22日に富士駅前で開かれる「甲子秋まつり」の踊りに向け仲間との時間を大いに楽しんでいる。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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