夏風邪に続く新型コロナの感染者増加で今、せき止めなどの薬が不足している。薬の確保に頭を悩ませている薬局を取材した。
喉の薬も、これしか…
長野県千曲市の「戸倉いせや薬局」。
薬剤師の飯島さんは、「喉の薬も今、これしかない。この薬局にこれしかない、夕方来るかな、来なかったらどうしよう」と、処方薬の量を心配する。
取材した9月11日はせき止め、喉の炎症止め、解熱鎮痛薬などが品薄になっていた。
この記事の画像(5枚)夏風邪、コロナ、インフル
不足気味になったのは8月上旬の夏風邪が流行したあたりから。加えて新型コロナの感染が拡大し季節性インフルエンザも収束しなかったことから、ここに来て一段と深刻になっているという。
飯島さんは、薬不足の要因は「コロナの感染者数が増えたこと、もう一つは供給が回復していないこと」と話す。
飯島さんによると、需要の高まりは新型コロナの感染が始まった3年前から始まり、2023年5月の5類移行でやや落ち着いたが、夏場の感染拡大で再び高まったという。
薬の確保に追われる日々
こちらの薬局では週に100人ほどコロナの感染者に薬を処方していて、薬の確保に追われる日々。
飯島さんは、「足りないときは近隣の薬局に電話をして、在庫を持ってるかどうか聞いて、何とか間に合うように手配をしたりしている」と、なんとかやりくりをしているという。
風邪薬、せき止め…欠品の市販薬も
一方、処方箋なしで購入できる「市販薬」の需要も高く売り場では風邪薬やせき止め、喉あめなどが欠品し、棚が空いていた。
飯島さんは、「5類になり、自分でどうにかしようという患者が増えている感じ。解熱鎮痛薬とせき止めと喉の炎症止めを求めて来られる方が圧倒的に多い。患者さんに渡せる薬が正常に入ってくることが一番の望み」と話す。
薬不足の状況は当面、続きそうで薬局は供給を待ちつつ感染の収まりを願っている。
(長野放送)